ミックスボイス

ミックスボイスなのかミドルボイスなのか?何をもってミックスボイスなのか?

ジウ研ゼミ会員

ジウコ先生、今更なんですけど、ミックスボイスですか
ミドルボイスですか?

ジウコ

正直、どっちでもいいっす、ただ、便宜上共通の解釈にしておいた方がよきです。あとは本人が分かって声を出せていればおk

結論:ミドルはエリア、ミックスは全体

ボイストレーナーさんによって「ミックスボイスとミドルボイスは同じです」「ミックスボイス、またはミドルボイスとは…」なんて解説をしている方もいらっしゃいます。

また、お医者さんによっても「ミックスボイスは存在しない」なんていう人もいます。

でも声は存在します。それをどう解釈するかで言い方が変わってきます。

ジウ研ゼミ会員

早くも頭が混乱してきた…

それでは解説していきましょう。

ジウコトモニタ(谷本恒治)
クリアボイスミュージックスクール代表
数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、
TVなどでも紹介される。
発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、
現在も全国各地から受講生が集まっている。

この記事で分かること
・ミックスボイスの定義
・ミックスボイスとミドルボイスの言葉の使い分け

〇〇ボイスとは声の“状態”を表す

声帯の“状態”とは?

声帯は声帯筋、靭帯、粘膜の三層から成り立っています。
コイツが肺から送られた空気によってバタバタと振動することで音が鳴ります。

これを喉頭原音(こうとうげんおん)といいます。

輪状甲状筋(CT)が間接的に声帯を引っ張ることで音程が変わります。

この辺は以前の記事で。

筋肉は縮むことでテンションがかかり(張りを作り)、靭帯は引き伸ばすことでテンションがかかります。

そして筋肉にテンションがかかった状態をチェストボイス、靭帯にテンションがかかった状態をヘッドボイスと言います。

その途中の“状態”

当然、おたまじゃくしが次の日突然カエルになる訳ではありません。
おたまじゃくしに手と足が生えた状態の時もあります。

声帯も同じように、ある程度筋肉のテンションが残った状態で声帯を引き延ばして靭帯にもテンションがかかり始めた状態、というのが存在します。

これが、チェストボイス感も残りつつもヘッドボイスに移行し始めている状態、すなわちその中間の声、ミドルボイスです。

〇〇ボイスとは声の状態の“範囲”を表す

あくまでも“ナチュラルに”使った場合

という前置きをした上で、

チェストミドルヘッド1ヘッド2スーパーヘッドホイッスル
~E4~A4~E5~G5~C6C6~
~A4~D5~G5~C6~F6F6~

※これもあくまでも僕の言い方と僕の統計上の平均的な範囲

ジウ研ゼミ会員

歌いながら「今、A4だからそろそろミドルボイス発声に切り替えないと」って考えるの大変…

ジウコ

いやいや、そういうことではなく、「この辺で(本来は)自然と筋肉と靭帯の関係性は変わっていくよね?」というだけのことだす

もちろんその上で、「意図的にD4をヘッドボイスで出す」とか、「G4までチェストで引っ張る」とか全然あり。

意図的にヘッド=ガッツリ筋肉を緩める
意図的にチェスト=声帯の(筋肉)の厚みを作る

みたいな。

ミドルは“範囲”、ミックスは“全体”

しつこく、これが正しい定義という訳ではぬゎい。
あくまでも個人的に「こう識別した方が分かりやすくね?」と思うだけです。

「チェスト」という“範囲”、ミドルという“範囲”、ヘッドという“範囲”、と、それぞれの“状態”と認識できる“範囲”がある(ボイスレジスター・声区と言います)

もちろん、徐々に筋肉→靭帯と以降していくので、「ここまで!」という明確な境界線はないハズ。

「じゃあ、本来チェスト~ヘッド(以上)まで境目なく繋がって聞こえるよね?」という、この繋がった“全体の状態”のことをミックスボイスと言います。

(というと分かりやすくね?と、しつこく。中には、「チェストとミドルが混ざった所をミックス、ミドルとヘッドが混ざった所をミックス」というボイストレーナーさんもいる。それも納得)

結論、本人が理解して声を出せていればなんでもおk。

まとめ

・ボイスレジスター(声区)は、声帯の“状態”によって決まる
・筋肉寄り=チェスト、靭帯寄り=ヘッド、その途中=ミドルという
・その全体が繋がった状態をミックスという
・けど言い方はなんでもおk

ボイストレーニングを行う際に言葉はどうあれ、正しく理解できていることが重要。
レッスンを受けるのであれば共通言語があれば別にこうでなくてもおk。

です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ジウコトモニタ

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