僕の4大「独学でやっちゃいかいんトレーニング」
1.喉頭を下げる
2.ボーカルフライ
3.鼻腔共鳴
4.腹式呼吸
今回はこの中の「ボーカルフライ」について解説していきます
YouTubeなんかでも多くのボイストレーナーが無責任にボーカルフライ(エッジボイス)のトレーニングを紹介していますね。
マジでやめておきましょうね(特に男子)
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ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。 |
この記事で分かること
ボーカルフライのトレーニングの目的
正しいボーカルフライのトレーニング方法


まずは正しい知識を

ボーカルフライは声帯トレーニングではない!?
大前提として、ボーカルフライは声門閉鎖のトレーニングではありません。
ながらく僕の記事なり動画なりをご覧いただいている方はお分かりだと思いますが、閉鎖の力が弱い人は存在しません(絶対に)。
ゴホン!と咳をしてみましょう。
多分できない人はいないと思います。(後期高齢者を除く)
声門閉鎖の力を一番使うのが咳です。なので咳ができれば閉鎖の力は十分にあります。
もしあなたがどこかのボイトレスクールに行って「声門閉鎖が弱いからエッジボイスの練習をしましょう」と言われたら「そっすねー」と言ってそのままフェードアウトしましょう。マジで時間もお金も無駄です。
では何のためのトレーニング?
正解は呼気を抑える目的です。
ここでの「呼気を抑える」というのは、発音をする(音が鳴る)前に息が流れる反応を抑える、という意味です。
うーん…イマイチピンとこない…
こちらの記事の最後に紹介している「ンッ」というエクササイズをご覧ください。
グロータルオンセット(Glottal Onset)と言い、声門が閉じた状態から発音をスタートする、という発声法です。
このオンセット(音の始まり)は
Aspirate Onset(先に息の流れがあってから発音をスタートする)=H,S,Fなど
Balanced Onset(息と音が同時)=(アタックのぼやけた)A,I,U,E,O,M,N
Glottal Onset(閉鎖の状態から発音をスタート)=(アタックのある)A,I,U,E,O,M,N
これら(呼気と閉鎖のタイミング)を自在にコントロールできる必要があります。
「閉鎖が弱い」と言われたことがある方は、弱いのではなく、呼気とのタイミングが合っていないだけです。


どうやって見極めるのか

元も子もないけどプロの耳でないと無理ゲー
残念ながらおそらく一流のボイストレーナーに当たらないとその見極めは無理です。
なんせ「閉鎖が弱いね」と言われたらそこはやめておこう、という判断しかありません。
可能性として「ア」の母音が下のようになる方は呼気の反応をベロで止めようとしているかもです。この場合はボーカルフライのトレーニングは効果的です。(ただ、ここでもプロの耳で音色をチェックしないと危険です)
ボイトレがうまくいってるかどうかのチェック。
独学でやってる人はなんせ「発音」を度外視し杉な傾向が。悪いことは言わん。迷わずプロの指導を↓https://t.co/F3WJMWdgS1 pic.twitter.com/rBUYM16MPe
— 大阪ボイトレ クリアボイス (@clearvoicemusic) May 16, 2024
ポイントは“フリップ”
フリップ(Flip)とは、声がひっくり返るという意味です。
ここでも並のボイストレーナーは「裏返ったから裏返らないように閉鎖を鍛えようね」と言ってしまいます。(残念ながらかなりの高確率でこういうトレーナーに当たってしまいます)
しかし、肝心なのは「どの高さで」「どんなひっくり返り方をするか」、もっと言えば「ひっくり返る高さまでをどう出していたか」が重要です。
ひっくり返るポイントで閉鎖を頑張れば、ひっくり返るポイントがもう少し上に上がるだけで何の解決にもなっていません。


正しいボーカルフライのトレーニング

ボーカルフライのトレーニングが必要な人のタイプ
目安として(あくまでも目安です。実際にはその場でしか判断できません)
1.突然ひっくり返る(だんだん張り上げて、などの予兆がない)
2.母音のコントロールが上手くいっていない
3.破裂音が苦手
細かい理屈はさておき、目安中の目安です。
正しいトレーニング方法
閉鎖が弱い→だから強める、という一辺倒な考えだと、繊細なコントロールができなくなります。
正しく出来ているかの条件として
1.母音をコントロールできる
2.エッジ→声→エッジを自由に行き来できる
3.半分エッジ半分声で音程を上下できる
これができない人は独学ではやめておきましょう。確実に発声障害まっしぐらです。
トレーニング方法としてはこんな感じです。
独学でのボーカルフライ(エッジボイス)、ラリンクスダウン(喉頭を下げる)は推奨しておりません。ほぼ100に近い確率で発声は悪化します。
レッスンでは結構やります。失敗したくない方は↓https://t.co/F3WJMWdgS1 pic.twitter.com/32KyCmgHOm
— 大阪ボイトレ クリアボイス (@clearvoicemusic) June 6, 2024


まとめ

ボーカルフライのトレーニングは人による
条件を満たす人のみ独学OK
そもそも閉鎖が弱い人なんて存在しない
ボーカルフライに限らずですが、基本独学で上手く行くならボイストレーナーのトップ中のトップになれると思います。僕でも自分のことは分からないので師匠の指導を受けています。
失敗したくなければ「一流の」ボイストレーナーの指導を受けましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジウコトモニタ