意外とよくいただくご質問、ご相談がコレ。
声が出しにくい、喉が重いんですが、これってジストニア?ヒステリー球?
局所性ジストニア
局所性ジストニア(きょくしょせいジストニア)とは、不随意で持続的な筋肉収縮を引き起こす神経疾患である。この収縮により姿勢異常が生じ、手(書痙)、指(音楽家のジストニア)、首(痙性斜頸)、眼瞼(眼瞼痙攣)、喉頭(喉頭ジストニア)、下顎骨(顎口腔ジストニア)のような身体の一部に影響を及ぼす。局所性ジストニアは演奏家に多く見られるが、一定期間内に指を繰り返し動かすことが原因と考えられる。
wikipedia咽喉頭異常感症
咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)とは、咽喉頭部や食道の狭窄感、異物感、不快感などを訴えるが検査値の異常や器質的病変がみられないものをいう]。耳鼻科領域では、咽喉頭異常感症と呼ばれるが、内科領域で「ヒステリー球」(英:Globus hystericus、あるいはヒステリー球症候群(英:Globus syndrome))と呼称される疾患と概念的に同じものである
以下、専門の医師ではないので参考程度にお読みください。
また、下記のエクササイズなどをおこなって改善されない場合は専門の医師にご相談ください。
ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。 |
この記事で分かること
・喉が重い、声が出しにくい時の改善方法
・日頃のケアの方法
なぜ喉が重くなる?声が出しにくくなる?
原因は筋肉の過緊張
たしかに、時々「なんだか声が出しにくいな~」という時があるんですよね…
原因が声帯、喉の炎症、鼻づまり、などなど、様々だけど、筋肉の過緊張もあるかもね
筋肉の過緊張?
声を出すのには様々な筋肉を使います。
筋肉は常に(適度に)使っていると柔軟性が上がります。動く可動域が広がることでよりスムーズな動き、より大きな動きができるのです。
発声においては呼吸筋、輪状甲状筋(音程を上げる)、また日常においては外喉頭筋(喉頭を動かす)が特に柔軟性が必要です。
外喉頭筋は嚥下(ゴクンという動き)にとても重要な役割を担っていますが、発声には時に悪さをすることもあるんで厄介です。これはまた別の機会に…
体が硬いと運動がしにくくなるのと同じで、発声に関わる筋肉が硬くなると当然声が出しにくくなるという訳です。
喉が重くなる原因となる筋肉は主に二つ
(あくまでも個人的見解、自分の体験)
喉が重くなる原因となる筋肉はコレ。
・舌骨舌筋
・胸鎖乳突筋
最近のボイトレ界のトレンドで「舌骨上筋群」というのがあります。
(何やらトレンドで覚えたての言葉を使いたがるトレーナーさんが多いですね。“ボーカルコーチ”とか“腹圧”とか。何その“腹圧”ってワラ)
ちな、舌骨上筋群の「群」は、
・顎舌骨筋
・顎二腹筋
・オトガイ舌骨筋
・茎突舌骨筋
その名の通り、舌骨を持ち上げる筋肉。これについてもまた別の記事で。
ここで上に書いたことを思い出して(見返して)ください。
筋肉が硬いと声も出しにくくなる
舌や喉が固くなるのはほぼ呼吸の影響(事実、呼吸のツボと喉のツボは同じところにあります)
舌骨上筋群のトレーニングはあちこちにあるので、今回は呼吸の筋肉について解説していきましょう。
喉の重さ、声の出しにくさを改善する方法
胸鎖乳突筋トレーニング
個人的に一番大きな原因は胸鎖乳突筋です。
ここが固いと呼吸が浅くなり、そのことで安定した呼気を送れず、舌や首の力を使って“無理に”息を押し出そうとし始めます。
動画は改めて「ジウ研ゼミ」会員さまページにアップしますが、胸鎖乳突筋というのは首の横の太い「人」という字のような筋肉です。
ここを上から下へ、さするようにマッサージします。
次に鎖骨の下を、内側から外側に向かって、同じくさするように。
これだけでおk。
マッサージやストレッチは自己責任でお願いいたします…
次に発声トレーニングでこの胸鎖乳突筋を動かしていきましょう。
ギューッと口をすぼめ、「w」の発音を作ります(「u」ではありません)
その状態から、「Wi!」と発音、その時に首を神木の根っこみたいに筋ばらせます。
呼吸が浅くなると首の後ろの力を使って生きを吐き出そうとし始めます(特に高音発声で首が前に出てくる人、これがその原因です)
それに抗うように、首の前の筋肉を使っておくのです。
ブレストレーニング
胸鎖乳突筋が温まったら、次にブレストレーニングをおこないます。
首や舌の力を使わず、安定した呼気を送る、肺の底から口の先まで息を繋げるトレーニングです。
これ、実はめちゃくちゃ難しいです(ほとんどの人が上手くできないと思いますが、めちゃくちゃ重要なトレーニングです)
ベロを真っすぐ(下に向けず真っすぐ前に)、平べったく出します(ここで実は結構な人が脱落するかも)
その状態で、息の音を“鳴らさずに”「ハッ、ハッ、」と息を吐きます。
この段階では声は発しません、息のみです。
その際、鏡などでチェックして、息を吐く瞬間にベロや首が反応していないか確認します。
ベロ首が反応せず、かつ音が“鳴らない”息を吐けたら、その息のまま「音」を入れてみます。
これも「ジウ研ゼミ」会員さまページで紹介しますが、これがきちんどできるだけで首や舌がとても楽になり、声が劇的に出しやすくなります。
日々の発声練習の前、喉が重いな、と感じた時に是非やってみてください。
まとめ
声の出しにくさ、喉の重さはほぼほぼボボブラジル呼吸の浅さ
呼吸に大きな影響を及ぼす胸鎖乳突筋を常にほぐすべし
それでいて安定した呼気を作れるようにトレーニングすべし
声帯がどう、ミックスがどう、という部分に捉われがちですが、ちゃんと息が吐けたらちゃんと声が出るように人間の体はできています。
安定した呼吸を手に入れ、ストレスのない発声を作りましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ジウコトモニタ