2023.08.07ミックスボイストレーニング
なぜボイストレーニング=ミックスボイスなのか?|ボイトレの超基礎
別にミックスボイスが出せなくても歌は歌えます。プロのミュージシャンでもミックスボイスを使っていない人はいっぱいいます。
では、今回はなぜ「ボイトレ=ミックスボイス」なのか、お話していこう!
もしかするとミックスボイスという言葉に初めて出会った人もいるかも知れません。
ちらっとググってみると…
ミックスボイスは地声と裏声を混ぜた声です
高音を地声のような強い声で出す発声法です
なんて書かれていたりします。
というか、この定義、間違えてるし
まず、地声と裏声は混ざりません!
そして、高音を地声のような強い声で出すのはベルティングです!
ここを誤解しているので、みなさん「ミックスボイスが出せないっす…」ってなるんです。
極端な話、「スクワットができないっす…」というのと同じです。
もちろん、太ももの筋肉はスクワットをするために付いている訳ではありません。
が、歩く、走る、という動作で太ももの筋肉は使います。そこにもう少し負荷をかけたらスクワットになるだけです。
実はミックスボイスも同じ。
声帯はミックスボイスを出すためについている訳ではないけど、声を出す、音程を変える、これができればミックスボイスになります。
今回はミックスボイスとは何か、アホみたいに簡単に説明していきます。
ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。 |
この記事で分かること
・ミックスボイスってナニ?
・何故ミックスボイスが必要なの?
・どんなトレーニングをすればいいの?
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そもそもミックスボイスってナニ?
実は誰でもミックスボイスは出せる!
僕がレッスンを担当している生徒さんは「ほぼ全員」ミックスボイスを出せます。
(歌に使えるかどうかは個人差ありますが、スケール練習ではみなさんミックスボイスになっています)
これは僕がスーパーウルトラブリブリカリスマボイストレーナーだからというのもありますが、そもそも人はミックスボイスが出せるからに過ぎません。
上述の通り、声帯はミックスボイスを出すために付いている訳ではありません。
が、スクワットの原理と同じく、声が出せれば、一定期間トレーニングを積めば誰でもミックスボイスは出せます。
それは、本来声帯を適切にコントロールできた状態=ミックスボイスだからです。
もう少し詳しく解説していきましょう。
声帯の自然な状態=ミックスボイス
私たちは歌に限らず、日常会話でも音程があります。
イントネーションというヤツですね。
この音程はどうやって変えているのでしょう?
細かい話はすっ飛ばして…
興味がある方はコチラをご参照くださいませ。
参考記事:ミックスボイスって結局何なの?
参考記事:ミックスボイスは本当にTAとCT?
参考記事:何をもってミックスボイス?
音程を変えるのに声帯を間接的に引っ張る力が働きます。
声帯は引っ張られると薄く伸ばされ、張りのない声になります。
それを逆方向に引っ張る力が働き、声帯に厚みと張りを与えます。
この二つの筋肉バランスで「声」を出しています。
極論を言えば、今、あなたが話しているその声はすでにミックスボイスなんです。
(まあまあ極論ですが…)
当然、低音域で声を出している時はそこまで声帯を伸展させる力は働いてません。どちらかというと収縮させる力の方が有利です。
それが高音域になると、声帯を強く引っ張らないといけないので、収縮させる力はその分休まないといけません。
私たちは日頃、そこまで高音域で会話をすることがないので、どちらかというと常に声帯を収縮させる力が有利な状態でいます。
なので音程を上げていった時に、どのようにバランスを保てばいいのか、力加減に迷うのです。
これが声が裏返ったり、逆に張り上げてしまったりする原因です。
つまり、ミックスボイスは、このバランスを取ってあげるだけの作業なんです。
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ミックスボイスのおおいなる誤解
地声と裏声は混ざりません
そもそも、ミックスボイス=声帯の自然な状態(収縮して張りを作る×伸展させて音程を上げる)です。
つまり、「こんな声がミックスボイス」というものではなく、二つの筋肉が常にバランスを取れた「状態「」のことを言います。
定義づけはトレーナーによって様々ですが、僕はこう定義した方がイメージしやすいかと思っています。
収縮させる力が有利な状態(低音域)=チェストボイス
双方に力が働いている状態(中音域)=ミドルボイス
伸展させる力が有利な状態(高音域)=ヘッドボイス
低音域から高音域まで、スムーズにバランス関係を移動できる「全体」=ミックスボイス
もう一つ、僕の定義でチェストボイス≒地声、ヘッドボイス≒裏声、というものもあります。
これまた複雑になるので、興味がある方は上記参考記事にて。。
ようは、地声と裏声を混ぜた声、なんて魔法のような声ではないということです。
余談ですが、モンゴルのホーミーも低音と高音二つの声を同時に出しているのではなく、倍音と呼ばれる音の成分を強く出しているだけです。
僕には一つの声にしか聞こえません(レコーディングエンジニアさんなども同じ意見だと思いますが。あ、ホーミーを否定している訳ではありません。あれはあれで凄い技術です)
高音を強く出すのがミックスボイスでもありません
上記の定義で言うと、高音域では伸展させる力が有利になります。
聞こえ方としてはヘッドボイス(≒裏声)に聞こえます。
ここに意図的に声帯を収縮させる力を加えてチェストボイス(≒地声)的な音色を加える発声をベルティング発声と言います。
簡単に言うと、屈伸運動がミックスボイス、バーベルを抱えてスクワットをするのがベルティングです。どちらも同じ線上に存在します。
なので、ミックスボイスは高音を地声っぽく発声することです、は、根本的に間違えています。
(残念ながら、イメージ的にはそう伝えたい気持ちは分かるんですが、この間違いが皆さんがミックスボイスを出せなくしている一番の要因です)
これらの誤解、つまり、ミックスボイスが何かも分かっていない状態で、その何かも分からないまま練習していることが、ミックスボイスを習得できない最大の理由です。
「走りなさい!」と言われたのでとりあえず走ってみたものの、方角も確認しないまま走っているようなものです。
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ではミックスボイス習得には何が必要なのか?
呼気圧のコントロール
というとなにやら難しい表現ですが、簡単に言うとこうです
・下から息をたくさん吐く→それを声帯で頑張って受け止める
→地声張り上げ発声
・声門の閉鎖が不十分で息が流れすぎている
→ファルセット
散々いろんなところで言ってますが、地声と裏声(ファルセット)は混ざりません。ミックスボイスはどちらでもありません。
ミックスボイス発声時にどのようになっているかと言うと、
声門を隔てた下(肺)と上(声道)の気圧が比較的近い状態
→そのことで息を押し出し(地声)にくく、流れ(ファルセット)にくく、自然に閉鎖の状態を維持しやすくなっている
と研究により解明されています。
後に紹介しますが、息の使い方を意識したトレーニングが必須(個人的にはほぼこれだけ!)となります。
母音のコントロール
もう一つは母音です。
お父ちゃんのためにあるんやないんやで~、ではありません(誰も知らんか…)
母音は音色に大きく影響を与えます。
音響学的な話は割愛させていただきますが、母音によってチェストが強くなる、逆にヘッドが強くなる、という現象が起きます。
つまり、母音をコントロールできないとミックスボイスは出せない、と言っても過言ではありません。
特に「mix vowel(ミックスバウル)」と言われる「ə」という母音(日本語にはありません、これが日本人がミックスボイスが苦手な理由でもあります)が、その名の通りミックスに入りやすい母音となります。
呼気圧、母音、この二つをすっ飛ばして、というか、ほぼこれしかないのに、「TAとCTが…」とか言っているうちは一生ミックスボイスにはたどり着けません。
「その前に、そのでっかいリュック背負ってスクワットしてたらやりにくくね?」という話です
具体的なトレーニング方法についてはコチラで紹介しています。失敗したくない方は必ず見てください。
参考記事:ミックスボイストレーニングで一番初めにすべきこと
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まとめ
・ミックスボイスは誰でも出せます、てか、そうなってます
・地声と裏声を混ぜた…、高音を強く…、は一旦忘れましょう
・ミックスボイスに必要なのは、呼気圧、母音のコントロール、ほぼコレだけです
沖縄から北海道に船で行くのに、南に向かって漕いでませんか?
オカンに「ドラゴンフルーツ買ってきて」と頼まれて電気屋に行ってませんか?
こう聞くとバカバカしい話ですが、結構ミックスボイス練習ではこれが蔓延してますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
是非他の記事もご覧ください。
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