2019.11.04trainer's column
【ボイトレ雑学】ボイトレレッスンでちょいちょい出てくるアレとかソレ
こんにちは。
大阪梅田のボイトレ・ボーカルスクール、クリアボイスミュージックスクールの谷本恒治ことジウコトモニタです。
昨日実家に帰ったけど、ブログで「オカンの飯がクソ不味い!」と書いているのを見たオカンが、気をつかって何も作らず、フルーツだけ買ってきて迎えてくれました。
すまん!
ということで、今回は、ちょいちょい使う専門用語集みたいなんを。
レッスンの時とかこういったブログの際に、予め統一されていると勝手がよいと(完全に俺の都合)思うので。
多少個人的な解釈で使う言葉もあると思うので、「クリアボイス用語」としておきましょう。
では。
目次
- ○ マッスル的な話の時のアレ
- ・TA
- ・CT
- ・(補足)つまり声が作られるにはTAとCTが必要
- ○ 発声の仕組みに関するアレ
- ・チェストボイス
- ・ヘッドボイス
- ・(補足)チェスト、ヘッド、ファルセットの違い
- ○ ミックスボイスに関するアレ
- ・ミドルボイス
- ・ミックスボイス
- ・ブリッジ、ボイスレジスター
- ・(補足)より自然なレジスタリングについて
- ○ まとめ
マッスル的な話の時のアレ
ここではマッスル的な話をする時によく出てくる「アレ」を説明。この説明がレッスンで省ける分、声を出す時間に充てられるので、生徒さんはなんとなく覚えておいていただけたらありがたい。
TA
甲状披裂筋(こうじょうひれつきん)のこと。
「thyroarytenoid muscle」の略。
声帯は三層からなっていて、粘膜、靭帯、筋肉。この筋肉が「甲状披裂筋」。
声帯は披裂軟骨の回転によって近づいて、なんとなく閉じる感じ。これをピトッとくっつけるのは内側甲状披裂筋の役割。
コイツがンッと張りを作ることで、声帯がピトッとくっつき、息を止めて重たい荷物を持ったりトイレで気張ったりできるのでふ。
レッスンでは、いちいちTAやCTやって言葉を生徒さんみんなが覚えているワケではないだろうから、「甲状披裂筋」って言うことが多いけど。
CT
輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)のこと。
「cricoid thyroid muscle」の略。
我々は声の音程を変えることができるけど、その役割を担っているのがコイツ。
甲状軟骨(喉仏がある軟骨)と輪状軟骨(その下の軟骨)を繋ぐ筋肉で、コイツが収縮することで甲状軟骨を引っ張り、その中にある声帯が間接的に引っ張られて音程が上がるという仕組みでふ。
これもレッスンで「CT」っていうことはあんまないけど。
(補足)つまり声が作られるにはTAとCTが必要
TAがダルダルな状態だと声帯は「近づいている」だけなのでナヨッとした声になる(ドンキの七面鳥みたいな声)。
CTがダルダルな状態だと「ドーレーミーファーファーファーファーファー」みたいになる。
つまり、TAとCTが頑張ってくれているから我々は話したり歌えたりするのだな。
その周りの外喉頭筋(いわゆる喉が締まるとかの)に関する記事はコチラ
発声の仕組みに関するアレ
まあ、声の仕組みに関しては、TAとCTくらいしか説明せんかな。
輪状披裂筋、輪状咽頭筋、とか、その他の外喉頭筋群についても、「こんな練習」とかって説明はするけど、その時の筋肉の説明はいちいちせんかな…
なのでお次は発声に関する「アレ」を。
チェストボイス
いわゆる「地声」
コレはまだそんなにCTが頑張っていなくて音程が比較的低い時の声帯の「状態」。
ここで間違えて欲しくないのは、「声のトーン」のことを言うのではなくて「声帯の状態」のことを言うということ。
※当然、声帯の状態によって声のトーンは変わるのだから、ニアイコールではあるのだが…
なので、音程が低い分、TAが比較的張りのある状態。
で、空気が当たると、声帯の粘膜と靭帯とTAが振動する。なので厚みだったりエッジ感というか、芯のあるトーンが得られる。
ヘッドボイス
いわゆる「裏声」
CTが頑張りだすと声帯は引っ張られて伸びていく。このことでTAは薄くなっていく(TAが頑張っていないワケではない。が、コレについて説明するととてもややこしくなるので、「高音域でCTが優位になる」と“イメージ”しておいて大丈夫)。
で、TAが薄くなって、声帯の粘膜と靭帯の部分が振動している状態。なので、チェストボイスに比べてマイルドなトーンというか…
ここで勘違いしないで欲しいのが、ヘッドボイスの状態では声帯が閉じていないワケではない。
これを完っ全に誤解して、「声帯が閉じている状態が地声、少し隙間が開いている状態が裏声」なんて言ってのける人もいるけど、「いやいや、勉強しようぜ」という話。それについては下で補足を。
(補足)チェスト、ヘッド、ファルセットの違い
簡単に。
TAにテンションがかかっているか否か(声帯がTAごと振動しているか否か)
【かかっている派】
チェストボイス
【否派】
ヘッドボイス
ファルセット
声帯の合わさる面積が多いか否か
【多い派】
チェストボイス
ヘッドボイス
【否派】
ファルセット
つまり、チェストとヘッドは、声帯振動の動きは同じ。TAにテンションがかかっているか、靭帯にテンションがかかっているかの違い。
一方ファルセットは、チェストやヘッドの時に比べて、声帯が振動する面が少なくなる感じ。
手のひらを合わせて声帯振動の動きをやってみよう。
チェストとヘッドは、人差し指~小指までの幅で振動している状態。で、その内側でTAにテンションがかかっているかどうかの違い。
ファルセットは薬指と小指を離して、人差し指と中指の幅で振動している状態。
声帯は合わさって離れて、を繰り返すので、後者の状態の方が「離れて」の時間が当然多くなる。イコール息が出て行く量が多くなる。イコール息っぽい裏声になる、という感じ。
うーん、文字では分かりにくい。
だから別に隙間が開いているワケではない。
「息の漏れた裏声がファルセット」、「息を支えた裏声がヘッド」という言い方をされる先生がいるけど、イメージとして大正解。めちゃ上からな言い方。すいません…
「声帯が閉じた状態が地声、声帯に少し隙間が開いた状態が裏声」が、「いやいや、勉強しようぜ」という話でございますでふ。
※チェストであまりにTAが緊張しすぎている子に対して、「めっちゃ低い裏声と思ってみ?」と、“イメージとして”伝えることはある。
ミックスボイスに関するアレ
これもまあよく言うけど、最終的には「何ボイスでもよくね?」というのがクリアボイスの考え。
が、説明する上で「なんちゃらボイス」と定義づけしておいた方が便利なので、生徒さんにも「チェストボイス」とか「ヘッドボイス」とかって言い方をしますでふ。
ミドルボイス
これは先生によって言い方は違う。なので、クリアボイス的定義づけ。
上の理屈で言うと、低音域でTAが優位になっている状態がチェスト。高音域でCTが優位になっている状態がヘッド。(あくまでも“状態”という表現)
当然、急にオタマジャクシがカエルになるワケではない。
手と足としっぽがある状態、カエルジャクシみたいな状態のヤツもいる。これがミドルボイス。
ようは、CTが音程を上げていってるけど、そこそこTAにもテンションがかかっている状態。中音域。
ミックスボイス
で、さらに言うと、オタマジャクシが急にカエルジャクシになるワケではないし、カエルジャクシが急にカエルになるワケでもない。
このカエル→(徐々に変化)→カエルジャクシ→(徐々に変化)→カエル、と、クイズ番組でよくあるような「こちらの画像のある部分が少しずつ変化していきます」みたいな。
こうやって自然に徐々にTAとCTの状態が変わっていって、オタマジャクシ~カエルを自然な一本の動きになった状態を「ミックスボイス」という。
なので、どこを切り取って「ミックス」というのではなく、カエルの生態系そのものを「ミックス」というイメージ。
ウチではこれで統一。ただ、言い方はなんでもいいと思う。統一したら説明しやすいというだけ。
ブリッジ、ボイスレジスター
この「ミックス」の動きの中で、オタマジャクシからカエルジャクシになる過程で、もっとも筋肉バランスが大きく変動する段階がある。
人間でいうと、第二次成長期みたいな感じかな。背が伸びる時に、寝てたら骨が痛い、みたいな。
このエリアを「ブリッジ」という。歌の中でどうやって出したらいいかよう分からんくなるところ。
ざっくり(これもクリアボイスの見解。一般的とはちょと違うかも
1stブリッジ
男の子…E4~G4
女の子…A4~C4
2ndブリッジ
男の子…A4~C5
女の子…D#5~F#5
3rd以降省略。
特に2ndブリッジが、「地声でいくにはしんどい、でも裏声にすると弱っちい」というとこらへん。(個人差あり)
で、1stブリッジ以下がチェスト、2ndブリッジ以上がヘッド、1stと2ndの間がミドル、でふ。
これらの「エリア」のことを「ボイスレジスター(声区)」というでふ。
(補足)より自然なレジスタリングについて
以下、男の子で説明させていただくでふ。
1stブリッジがE4~G4と書いてるけど、じゃあ仮にブリッジがG4だったら、ミドルボイスのエリアってG4~A4の2音しかないことになる。
割かしこれが上手いこといかん原因だったりする。
なのでこのレジスターの移動をレジスタリングって言ったりするんだけど、これをスムーズにするには、E4と言わず、それこそC4、D4で、オタマジャクシが「なんだか体がムズ痒い…」と、手足が生える準備をしておく方が良い。同じく2ndブリッジ。これもF#4くらいからはカエルジャクシの状態で「ゲコ、ゲコ、」と鳴き声くらい出せる状態にしておいてやる方が。
逆にC5辺りだと薄い裏声にならないように、カエルだけどちょっと尻尾の名残がある、くらいな意識ができれば。
まあ、ようはどっからどこまで、って区切ろうとしなさんな、という話。
まとめ
ようはボイストレーニングってのは、それぞれの筋肉(息を吐く筋肉も含め)を適切に使えるようにするもの、と捉えていただければ。
つまり、声帯を適切に使えた状態=チェスト~ヘッド(あるいはそれ以上)までスムーズに行き来出来た状態=ミックスボイス、となるワケでふ。
そっから上級者にはベルティングとかやったりするけど、まあそれはさておき。
適切に使えた状態、自分自身でそれぞれの筋肉をコントロールできた状態が作れて、その上で「ここはもうちょい地声っぽく」とか、「ここはあえてファルセットで」とか、トーンコントロールができればいいのではなかろうか。
ボイストレーニングのゴールは「ミックスボイスを出すこと」ではなく、「自分の思い通りに歌えるようになること」だからね。
思い通りに歌うには、自分が持っている体(筋肉)の使い方を知っておいた方がいいよ、というお話でした。
「具体的にどんな練習するの?」
気になった方はお気軽に体験レッスンにお越しくださいまし。別にその体験一回こっきりで終わっても全然良いよん。
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