2019.04.11trainer's column
自分の理想の歌い方を追求する
かんにちは。
大阪梅田のボイストレーニングスクール、クリアボイスミュージックスクールの谷本恒治ことジウコトモニタです。
ボイトレやってて時々思うこと。
「ハイラリを直したいです」
「ミックスボイスが出したいです」
「声を大きくしたいです」
なぜ?
もちろん、散々書いてきている通り、ラクに歌を歌うために、ミックスボイスは必須です。
というか、本来ラクに(自然に)声を出した時に、人間はミックスボイスになっています。
そして、ハイラリ(ハイラリンクス)はそれを“多少”邪魔する“場合もあります”。
※ハイラリだからミックスボイスが出ないことはありません。むしろ、ハイラリの方がミックスボイスを出しやすいことはあります。
で、改めて。
ゴールはミックスボイスを出すことやハイラリを直すことではなく、「自分が“カッコイイ”と思う声で歌うこと」です。
結果、それにラリンクスダウンが必要かも知れないし、ミックスボイスが必要かも知れない、というだけです。
なので、まずウチに来ていただいた方には、
アーでスケール(ドレミファソファミレド)を上がってもらう
好きな曲(現時点であまりに無謀でない曲)を歌ってもらう
ということを初めにやってもらいます。
この最初の「アー」で、ブリッジがどこにあるか、息の量はどうか、声帯の強さはどうか、などを見ます(聞きます)。
次に、曲で、どんな風に歌いたいのかを見ます(聞きます)。
ここで、人には少なからず、発声時のクセがあるもの。
そのクセが、「歌いたい!」という気持ちがそうさせてしまっているのか、そのクセによって「歌いたい!」という気持ちを邪魔してしまっているのかを見分けることがとても重要です。
なぜなら、頭から「そのクセを取りましょう」というエクササイズを行うと、「歌いたい!」という、その人の“歌心”まで取ってしまうからです。
なので、そこには触れず、“歌心(スタイル)”をキープできた上で、ある程度発声が安定してきたら、その次のステップとして、“スタイル”のクオリティを上げるためにクセを取るエクササイズを取り入れていきます。
僕も昔、変テコなクセがあったけど、「その歌い方が好きなら、今のところ気にしなくていいよ」と言われたものです。
僕の若かりし頃の「ボイトレはこうです!」みたいな凝り固まった時代を考えると、かなり革新的な先生ですね。
もう少し具体的に言うと、例えばハイラリ。
ハイラリンクスというのは、喉頭が上がることによって気道が少し縦長になろうとする動きをするため、声帯が締め付けられる感じになります。
が、良く言えば声帯をくっつけようとする、とも言えます。
なので、ハイラリが起こる原因としては、「強く鳴らしたい!」という気持ちがそうさせる、と言うことができるでしょう。
この段階でハイラリを取るだけのエクササイズを行うと…
喉頭は下がるけど、裏声っぽくなる、あるいはオペラ歌手っぽくなる
といった状態になる可能性があります。
こういう場合は、ハイラリを直すのではなく、「こうすれば強く鳴る」という動きを体に覚えさせてやればOK。
体が「あ、鳴った」と思うと、案外喉頭も上がらなくなります。
それでも頑固なハイラリ。鳴らし方を覚えたけどまだハイラリが気になる、という段階で、“トーンのクオリティを上げてやる”目的で喉頭を落とすエクササイズを入れて行きます
※ハイラリは声帯を閉じる手助けをしてくれますが、声帯の位置が高くなる分、共鳴腔は狭くなり、声の厚みはそれほど稼げないというデメリットもあります。
が、あくまでも大事なのは“声に厚みがあるか”とか、“ミックスボイスか”ではなく、“自分の理想の歌い方か”ということ。
ボイストレーニングで一番重要なのは、“楽に歌うこと”はもちろんですが、ただ楽に声が出ているかだけではなく、“自分はこうやって歌いたい、でもこれだとしんどい…この歌い方を、どうにか楽にできないものか…”と考えるべきです。
言っちゃあ失礼だけど、「ミックス判定お願いします」みたいな音源送ってくれる子に多いかな。。
「それがミックスであるかどうかの前に、自分で客観的に聴いて、“この声で歌いたい!”と思うの?」
といつも思う。
発声的なこと言えば、大分喉に負担かかっています。(そしてやはり現在のジョンは高音がきつそう…)
でもめちゃむちゃカッコイイ。(何をもってカッコイイかは、個人の見解)
ボンジョビがファルセットを多用する、あるいはスティービーワンダーのような美声で歌ったら、果たしてあそこまで売れていたか、というと疑問です。
(ちなみに、最近、結局のところ、スティービーワンダーが世界一上手いのではないかと思っている)
とにかく、自分の「歌いたい!」を大事にする。
それを、ストレスなく理想に近づけるために必要なのがボイストレーニングです。
ハイラリを直すため、ミックスボイスを出すためにあるんやないんやで~
おとうちゃんのためにあるんやないんやで~
クリアボイスミュージックスクール
谷本 恒治
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