2019.05.16trainer's column
喉歌い解消法!
こんにちは。
大阪梅田のボイストレーニングスクール、クリアボイスミュージックスクールの谷本恒治ことジウコトモニタです。
今回は、「喉歌い解消法!」
待ってました!
まあ、ミもフタもないことを言うと、ヒトは喉からしか声は出ません。
が、ここでの「喉歌い」は、「喉(声帯)が硬くなってしまった状態で歌っていること」と定義します。
そして、口を酸っぱく言いますが、喉歌い解消=腹式呼吸ではありません!
「喉歌いだね、腹式呼吸で歌わないと!」
これだけ医学が進歩した現代に、いまだにこう言う人がいることが不思議でしょうがないのですが…
喉に力が入る原因として、呼気圧が影響することは大いにあります。が、それが何呼吸であるかの問題ではありません。
(ちなみに、レッスンでは呼気圧を高めるために、腹式の筋力が必要だと感じた生徒さんには、「正しい腹式の使い方」は教えています)
ここでは、呼吸を意識するのではなく、「喉を固めてしまわないようにする喉の使い方」を見ていきましょう。
「喉歌いだ」とご自身で思われる方のほとんどは、特に高音域でそれを感じるのではないでしょうか?
それには、甲状舌骨筋という筋肉が関係してきます。
私達ヒトは、音程を変えるのに輪状甲状筋という筋肉を使います。
ただ、やっかいなことに、輪状甲状筋が動くと、一緒に甲状舌骨筋も動くと言われています。
甲状舌骨筋が収縮することで、甲状軟骨を引き上げる、これがハイラリンクスの原因です。
なので、喉が上がる、ハイラリンクスになる、というのは、(ある程度は)仕方ない!と言えます。
別の所でも書いていますが、スタイルによっては、意図的にハイラリ気味で歌うこともあるでしょう。
ただ、ハイラリのデメリットとしては、①共鳴腔が狭くなり、声が薄くなる、②声帯が上に引き上げられることによって硬くなる、といったことがあります。
なので、ある程度喉頭の位置は安定させてやりたい。
別記事にも書いてますが、レッスンでは、「まずはハイラリは気にしない!」というのがウチのスタイルです。
それは、前述にもありますが、呼気圧の問題、甲状披裂筋の筋力の問題などで、ある程度は解消されると考えるからです。
ガッチガチに固まった状態を、むりくりどうにかしようとしても、なかなかうまく行かないことも多くあります。
なので、ある程度の期間、ボイトレを経験している人向けの練習になってしまうでしょうか…
禁断の(?)「喉頭を引き下げる筋肉」を使う練習です。
力というのは、不思議と助け合ったり拮抗し合ったりします。
ある筋肉が頑張れば、ある筋肉は休み(TAとCTのバランスしかり)、ある筋肉の力が足りないと他が補おうとします。
重い物を持ち上げる時、腕の筋力では足りなければ、脚や腰の力を使いますよね?そんな感じ。
ただ、発声においては、他が補おうとするのがよくない場合があります。
それが、ハイラリを改善するのに、呼気圧を高める、というのが第一ステップ。
次が、喉頭を引き下げる筋肉「胸骨舌骨筋」「胸骨甲状筋」を使ってやる練習。
牛のモノマネをしてみましょう。
「ンモォ~~~~ゥ」
喉仏が下がったのではないでしょうか?
この「オ」の母音を大袈裟にしてやることで、胸骨~達に働きかけやすくなります。
これを使って、「ホー」と息っぽい声を吐いてみます。
声、というより、息、という感覚です。
このまま1オクターブを上がって下がってします(下記動画参照)
ポイントとしては、
①勢いをつけない
前述の通り、声帯が硬くなっていても、勢いをつけて呼気圧を高めるとある程度音程をキープできたりします。
なので、「モワ~」っとした息のまま、緩やかにアップダウンしてみましょう
②声にしない
ホー…が、ホオー、にならないように、声を伸ばすのではなく、息を伸ばす、という感じです。
こうすることで、声帯を固めない状態で、息は一定で輪状甲状筋だけ(100%「だけ」ではないのですが…)で音程を変える、喉頭を下げておくことで甲状舌骨筋に力が入り過ぎないようにキープする(喉頭を下げておくと声帯も緩みやすい)。胸骨~達を「適度に」鍛えてやる、効果的な練習になるかと思います。
この「適度に」が重要。しつこく、「ローラリ」で歌うことが必ずしも正解ではないので。
これ、意外と難しいと思います。(大抵は「オ」が出てくるのではないでしょうか?)
難しい時は、まずは短く、「ホッ、ホッ、ホッ、…」と声にならなくていいので、喉の奥を開けて息を吐く練習をしてみましょう。
次に、同じ音程で「ホー…」と伸ばしてみて、徐々に音程を作っていくと上手くいくのではないでしょうか?
しつこくやっていると、声帯だけで頑張って音程を作るクセは取れてくると思います。
クリアボイスミュージックスクール
谷本 恒治
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