こんにちは。

大阪・梅田のボイストレーニング、ボーカル教室のクリアボイスミュージックスクール、谷本恒治ことジウコトモニタです。

 

 

つくづくボイストレーニング、ボーカルトレーニングというのは難しい。

 

歌を歌うのに(そのクオリティを上げるのに)、基礎は必要不可欠。

 

だけど、基礎に時間を費やせば費やすほど、「歌う」というところから遠ざかっていく(場合もある)。

 

高校球児で言えば、延々と球拾い、草むしりをやらされ、「俺、いつになったらバッティング練習させてもらえるんやろう…」というような状態。

 

三年生になって下半身を使ったバッティングでホームランを打てるようになった時に、「あの時の球拾いで下半身が鍛えられてたんか！やってて良かった！」とは確実に思うんだろうけど、なかなか一年生のうちは、「野球がやりたかったのに」というフラストレーションを抱えてしまう可能性もあります。

 

だからクリアボイスでは(以下、野球の例えで進みます。野球をやっていた訳ではありません)、まずどんな野球をやりたいのかを大事にしています。

 

球拾いも草むしりも必要だけど、その選手がどんなプレーヤーになりたいのか、ポジションはどこで、コンタクトヒッターなのかホームランバッターなのか、まずはそれをプレーの中で見つけたり、必要であればヒアリングします。

 

「君はどんな選手になりたいんだい？」

 

「僕は落合さんのようなスラッガーになりたいです！」

 

「そうか、でも今の君はバットを力ずくで振り回しているだけだよ。落合さんは確かに長距離バッターなイメージがあるけど、手首の強さと肘のたたみ方がピカ一だったんだよ。まずはコンパクトに振る意識と、手首の強化から始めようか」

 

というような。

 

で、

「大分打率も上がってきたね。でもここからもっと飛距離を伸ばすには下半身の力が必要になるんだよ。だから一度バットを置いて、スクワットをひたすらやってごらん？」

というような。

 

落合さんに憧れて野球教室に入ったのに、しょっぱながバットもグローブも持たない筋トレだったら、その重要性を頭では理解できても、なかなか気持ちが受け入れられないですよね。

 

でも、実践的なバッティング練習である程度成果が上がってきて、落合さんのようになるにはあと何が必要なのか、自分でもイメージが掴めてきたら、スクワットも積極的にやれるようになるはずです。

 

現巨人のコーチ、元木大介さんが、キャンプで取り入れた練習に、「内野手に外野守備の練習を、外野手に内野守備の練習を取り入れる」というのがありました。

外野手が内野を守ることで、常に低い姿勢を取り、内野手が外野を守ることで内野では移動しない距離を走って守り、互いに普段行わない動きで下半身を強化する、みたいなことだったと思います。

 

これにはなるほど、と思いました。

 

これが単に、「はい！内野も外野も走れ！」だけだったら、いくら長年やっているプロでも、集中力を持続させるのは難しいかも分かりません(もちろん「走れ！」もあるでしょうが)。

 

話は逸れましたが、何せクリアボイスで一番大切にしているのは、「その人がどう歌いたいのか」ということ。

 

その上で、先の落合さんの話ではないけど、ある程度成果を上げられて、ある程度僕らも生徒さんの思い、得意不得意などなどを理解し、生徒さんも僕らの方法論を理解してくれた関係性であれば、場合によっては、「これは歌い方、とは離れるとこやけど」と注釈をつけて、地味ぃ～な、ただの筋トレ的なトレーニングを入れることもあります。

 

でも、やっぱりその中でも、生徒さんには「落合さんのようになりたい！」という気持ちを持ち続けておいてほしいし、僕らもその地味ぃ～な練習を、「いかにそれを落合スタイルに取り入れるか」という具体的な方法論を提示する必要があると思っています。

 

結局何が言いたいかというと、今まさに地味ぃ～なトレーニングをやらされている生徒さん、君が落合さんに近づいてきたという証だよ。

 

 

クリアボイスミュージックスクール

谷本 恒治