2022.05.09Trainer's column
ボイストレーナーは普段どんなボイトレをしているのか?|ブレストレーニング編

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ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。 |
こんにちはこんばんは。
大阪ボイトレスクール、クリアボイスミュージックスクールのジウコトモニタです。
これまで多数のプロのシンガーさんを含め、15年間で1万人以上のボイストレーニングを担当してきました。
そんな長年のいぶし銀の知識と経験に基づいたボイトレに関する様々なお話をしていく“ジウコラム”、よっぽどヒマですることがなさすぎてどうしようもない時にお読みください。
さて今回は、ボイストレーナーは普段どんなボイトレをしているのか?というテーマ。
「ボイストレーナーになるだけあって、やっぱり日ごろのトレーニングのレベルも高いんだろうな・・・
少しでも真似できたらそのレベルに近づけるんじゃないか…」
というアナタの夢(?)を実現する、門外不出のメニューです。
少々特殊な内容になっております。
1.ひたすら息を作る
2.声帯を使っていく
なんですが、少々長いんで今回は息、ブレストレーニング編とさせていただきます。
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1.ひたすら息を作る
息を吐く→声帯に当たる→その上の空間(声道)で共鳴して声になる
なのでまずしっかり息が使えていることが大前提です。
ここすっ飛ばしている人が非常に多いです。
やれなんちゃらボイスだ、やれベルティングだ、やれ表現だ、
いやいや、その前に息吸って吐きましょうよ。
ということで、まずはブレストレーニングから入ります。
EX.1 ベロを出してハ~~(首を横の倒す)
ベロを出すのは、単純にベロ筋のストレッチという意味合いと、息の通り道がベロに影響を受けないように、という目的もあります。
息を作る時のベロの出し方は「真っすぐ」。下に向けないようにします。
その状態で軟口蓋に「カ~~~(無声)」と息を当て、そのまま音を乗せます。
出だしの「カ~~」が息10:声0、とすれば、音を乗せた状態は息7:声3くらいです。
首を横に倒すのは茎突咽頭筋・舌骨筋、肩甲舌骨筋などに力みが生じないように。
スケールは「ド・ミ・ソ・ミ・ド」、G2スタートでトップはA4くらいまで。(女性はできればD3~C5くらい)
EX.2 ベロを巻いてカハカハ
今度はベロを巻いてベロの先で上顎を軽く触った状態。
それで今度は「ハッ」と軟口蓋に音を当て、「カッ」と軟口蓋を介して息を戻します。
「ハ(吐・音)カ(吸・息)」の繰り返しです。
ポイントは「普通のハに聞こえること」。籠った音になる時はベロに息が当たってしまっています。
ベロに当たらず軟口蓋「のみ」に息が当たるようにし、かつ、体がブレないように肋骨をキープします。
さらに付け加えて首の付け根(板状筋)をモミモミしながら、首に力が入っていないかを確認。
スケールは5トーン。これもG2~A4辺り。(女性はD3~C5くらい)
EX.3 リップロール(スタッカート)
リップロールはみなさんよくやられると思いますが、案外ちゃんとできている人はいない。
というか、リップロールがちゃんとできていればボイトレを受ける必要がない。
というくらい、実はめちゃくちゃ難しいエクササイズです。
スタッカートで行う目的は、「息を繋げる」ということ。
どういうことか。
息を吸うと肺の底から口の先まで空気が入ります。
が、ほぼ全ての人が「肺に空気が入る」と認識しているのでは?
そう思っていた方。
じゃあ、肺から上は真空ですか?
ということで、「肺から空気を送ろうとする」ので、胸から押し出したり、首や舌で吐き出そうとしたりするのです。
もちろん肺(の底)から送るのですが、なんとなく肺の底から口の先まで繋がった空気(ところてんをイメージしてみましょう)が体外へビューっと出ていく、というような使い方を意識します。
で、このスタッカート。
プルッ…
とだけやると、下から吐き出す力を使えない、あるいは使うと自覚できると思います。
この方法でちょっとの空気を使う、勢いを付けずに一定に息を使う、下から上までつなげる、という意識のトレーニングです。
スケールは2オクターブドミソドミソド(2オクターブ上)ソミドソミド、で、男性=G2~C5(上級者はD5)、女性はD3~G5(上級者はA5)辺りで。女性の方がレンジが狭いので、無理のない範囲で。。
EX.4 ベロを出してハッ(スタッカート)
またまたベロを出します。基本、ハッの発音は「息を当てる場所」、そして「そこ以外に当たらないように」というのが必須です。
(これまたちゃんとやるのは至難の業ですが)
なのでベロを出すか巻くか、でおこないます。
先ほどのリップロール同様、吐き出さない(押し出さない)のと、しっかりスタート地点(G2あるいはD3)でチェストボイス(地声という意味ではありません。文字通り胸を響かせるという意味)で発声します。
それでまた2オクターブ、音程ごとに響きを上げていき、しっかりとヘッドボイス(同じく裏声という意味ではなく、文字通り頭を響かせるという意味)に持っていきます。
( )内で書いた通り、あくまでも響きの移動、「声」をまだ入れていないトレーニングです。
EX.5 タングトリル
今度はシンプル。いたって普通のタングトリルですが、ここでもしっかりチェストに息を吐く意識をします。
そこからポルタメント(音階ではなくなめらかに音程を移動)でオクターブ上下をおこないます。
特に降りてきた時にしっかりチェストに戻れているかを確認します。
レンジは男性=G2~E4、女性=D3~A4辺り、息の流れとチェストを開けているかの確認です。
EX.6 リップロール(レガート)
改めて今度はレガートでリップロール2オクターブをおこないます。
同じくチェストから入れているか、息を一定に使えているか、どこかの音域で吐き出そうとしていないか、しっかりチェストに戻れているか、その他、首に力が入っていないか、など、あらゆるところをチェックします。
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という感じで、ここまでブレストレーニング編でした。
しつこく、「ブレストレーニング」なので、あくまでも「ついでに音は鳴っているけど」くらいを意識して、「声」を作らないように気を付けましょう。
オンラインサロンでは僭越ながら僕がデモをおこなっている動画を用意してますので、上記の注意点と照らし合わせながら(ミスったところはカットせずやり直したりしているので分かりやすいかと思います)おこなってみてください。
もちろん、動画や音声、あるいはテキストだけでも「このやり方で合っていますか?」といったご質問、ご相談にもお答えしております。
ご質問、ご相談は回数無制限なのでじゃんじゃん送ってきてくださいませ。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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