2024.09.16trainer's column
ミックスボイスで歌うべき?ミックスボイスをどこよりも詳しく解説!
(話終わってもうた。。)
もちろん、歌、アートに「こうあるべき」なんて存在しません。
じゃあ、何のためにミックスボイスを必死こいて練習するのか?
それは歌うためです。
と、なにやら禅問答のようになってきましたがorz
ボイストレーニング=ミックスボイストレーニング、これは僕がいつも提唱する理論です。
ですが、ボイストレーニング=歌唱力UPではありません。つまり、ミックスボイスが出せる=歌唱力がある、ではありません。
今回はミックスボイスの重要性と、ミックスボイスを習得すべき理由を解説していきます。
ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。近年はボイストレーナーの 育成にも力を入れている。 |
この記事で分かること
・そもそもミックスボイスとは?
・ミックスボイスの重要性
・ミックスボイスと歌唱の関係
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そもそもミックスボイスって何?
筋肉のバランスからの定義
これも常々言いますが、「こんな声がミックスボイス」というものではありません。「こんな声」は個人差があるからです。
では、何をもってミックスボイスなのか?
まずは筋肉の“状態”から定義してみましょう。
声帯には張りを作る甲状披裂筋(及び声帯筋)があります。
筋肉は収縮することで張りが生まれます。この張りが作られた状態が地声(のような)状態です。
一方、音程を上げるのに、声帯を間接的に引っ張って伸展させる輪状甲状筋という筋肉があります。
輪状甲状筋が頑張る(収縮する)と、声帯を伸展させ、音程が上がる仕組みです。ギターなどの弦を張っていくのと同じ仕組みです。
当然、声帯は引っ張られると筋肉は薄く伸ばされていきます(力こぶをイメージしてみてください)。
この薄くなった状態での声が裏声(のような)状態です。
この二つの筋肉バランス(と、声帯を近づける外側輪状披裂筋とのバランス)が取れた状態、声帯を収縮する力と伸展させる力のバランスが取れた“状態”がミックスボイスです。
声帯振動の原理からの定義
また、ミックスボイスは別の定義づけもできます。(別の、と言ったものの、どちらも同時に体で行われているので、どちらかだけの状態というのはあり得ませんが)
それが声帯がどのように振動しているか、というものです。
地声(ここは「のような」ではなく「地声」です)発声時には、「ベルヌーイの定理」というものが働いています。
簡単に言うと、下から強い息を押し出すことで声帯を振動させる状態です。
強い呼気が流れる分、それを受け止める声帯のエネルギーも強く必要になります。その分パワーのある声に聞こえますが、音域は狭くなります。
一方、裏声(ファルセット)の状態はどうでしょう。
地声発声時とは違い、声帯が薄く部分的に振動することで呼気があまり受け止められず、流れている状態です。ファルセットが息っぽく聞こえるのはこのためです。
ミックスボイス発声時はこのどちらでもなく、声門上圧といって、下からの呼気はあまり多くなく、声帯を隔てて上の空気圧が強くなることで声帯が平行になった状態(閉じた状態)を維持しやすくなっています。
なのでよく「ミックスボイスは地声寄りですか?裏声寄りですか?」と質問されることがありますが、実はどちらとも異なるものです。
(というと難しい特殊な発声法のように聞こえますが、最後まで読んでいただくとそうではないことがお分かりいただけます)
より理解を深めたい方は他の記事もご参照ください。
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何故ミックスボイスを練習するのか?
発声、歌唱の効率化
ミックスボイスで発声、歌唱すると、呼気も抑えられる、それでいて声帯閉鎖のエネルギーを(地声ほどは)あまり使わずに芯のある声が出せる、というのが一番の利点です。
ストレスなく長い時間歌い続けられる、というのがミックスボイスの特徴です。
よく、「高音でも地声っぽい声…」という人もいますが、それはベルティング発声というものです。
ここを誤解している人が、あるトレーナーのミックスボイスでの歌唱動画を叩いて炎上していましたね。
ベルティング発声に関してはこちらをご参照ください。
ミックスボイスはどんな感覚か?
では、ミックスボイスとはどんな感覚なんでしょう?
「裏声のような…」
いえ、これを額面通りに受け取ると100%失敗します。
裏声とまでは言わないにしても、比較的楽に出せて、それでいて地声とまでは言わないにしても比較的「鳴っている」声、です。
というと、何やらぼんやりとした表現ではありますが、先述の声帯振動の原理でいうと、甲状披裂筋、声帯筋にそこまで負荷をかけずに、無理に押し出さずに、声帯が振動した状態を維持できるので、「地声じゃないけど鳴っている」、という感覚です。
特に地声を張り上げていた男性がミックスボイスを出せるようになった時に、「え、これでいいの?」と感じる人が多いようです。
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ミックスボイスで歌うべき?
そもそも歌に「べき」はない
歌う時の理想は、「比較的」楽であること、それでいて「いい声」であること、です。
結果、それがミックスボイスではあります。
声帯を収縮させる筋肉×伸展させる筋肉×閉鎖する筋肉×それに見合った呼気、それらのバランスが取れた状態
→比較的楽であるはず
ミックスボイス=本来のポテンシャルをナチュラルに発揮できた状態
→その人にとって一番「いい声」であるはず
だからです。
が、「そうすべき」ではありません。
歌は自分が好きなように歌うもので、誰かに気に入られるためのものではありません。
あくまでもミックスボイスを習得した上で、「ここまでならさほどしんどくはない」という範囲で地声張り上げに寄せていく、それが自分の好きな声かも分かりません。
大事なのは「こうすればこうなる」と、体をコントロールできるようになっておくことです。
目的と手段を混同しない
楽に歌いたい、気持ちよく歌いたい、ましてプロやプロを目指す方であれば、喉のコンディショニング、長時間歌うための発声を身に付けておく必要があります。
が、中には目的と手段が混同してしまう人がいます。
実際に体験レッスンに来られる方でこんな方がいます(なぜか100%男性です)。
「どんな曲が歌いたい?誰みたいに歌いたいとかある?」
「いえ、歌いたい曲も好きなシンガーも特にいません。曲を歌いたいというより、ミックスボイスが出せるようになりたいです。」
僕はよく野球に例えるんですが、この会話を野球に置き換えてみましょう。
「どんな野球選手になりたい?憧れのバッターは?」
「いや、野球をしたいんじゃないんです。試合もしません。ホームランを打ちたいんです」
なんで?
と思いません?
実際に結構いらっしゃるんです。
2点ビハインドでランナーが1塁2塁、ここでゴロを打ったらダブルプレーになるし、かといってフライを打つとランナーが進めない、こういう場面でホームランを打てる技術とパワーが欲しい。
これが本来の「ホームランを打ちたい」という動機です。
あくまでも目的は「いい歌声で歌うこと」それが「あわよくばその声を楽に出せること」
そのためにミックスボイスが必要になってくる、というだけです。
まずは「自分にとってのいい歌声」を目指しましょう。
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まとめ
ミックスボイスは何声っぽく、とかではない「状態」のこと
長時間疲れず歌えるために必要なスキル
が、ミックスボイスで歌わないといけないということではない
ボイストレーナーを20年近く、何万人という声を聞いてきて、独学でミックスボイスを出せている人に出会ったのは数人です。
あなたが数万人に一人の逸材であるという確証を持てないのであれば、迷わずプロの指導を受けましょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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