2021.05.30喉を開く、通る声を作るトレーニング
カラオケで喉が痛くなる原因、でズレた回答が多い理由|本当の原因と対策を教えます
ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。 |
カラオケで歌うと喉が痛くなる…
そして「カラオケ 喉 痛い」などで検索するとたくさんの記事が出てきます。
読んでみましょう。
なになに…?
カラオケで喉が痛くなる、声が枯れる原因は、喉が締まっているからです
お前は小泉〇次郎か!
「今日筋肉痛でさ…」
「筋トレしたからじゃない?」
誰でも言えますよね?
このように、誰でも言えることを“いかにもそれっぽく言う”だけで「ボイストレーナー」を名乗る人があまりにも多いです。
という感じで、ボイトレで失敗したくない人、あるいはすでに一度失敗している人は是非こちらの他のブログをお読みください。
それでは進めていきましょう。
喉の痛みは2種類ある
喉の筋肉がズキズキ、あるいは重ダルい
まず、タイトル通り、2種類の痛みがあるので、ここ押さえておきましょう。
改善方法は全く正反対なので、ここを間違えると発声がかえって悪化してしまいます。
(ようは、力が足りないのに力を抜きなさい、と言ったり、力が強いのに力を入れなさい、と言ったり。こう教わるボイトレスクールはゴロゴロあるのでお気を付けください)
そして一つ目はズキズキ、あるいは重ダルさを感じる時。
後程解説していきますが、こちらは筋肉の痛み、ダルさです。
喉がヒリヒリする
こちちらは逆に、声帯の粘膜の炎症です。
どちらかというとこちらのパターンの方が発声の改善は急務です。
ただ、上記の通り、知識のないボイストレーナー、ボイトレスクールはゴロゴロ存在します。
ボイストレーナー選びは極めて慎重におこないましょう。あなたの喉を預けるのですから。
※ボイトレスクール選びのポイントに関しては過去にも様々な記事で書いています。是非ご参考に。
ズキズキ、あるいは重ダルい原因
舌骨上筋群の過緊張
初めて聞く言葉かと思います。
舌骨上筋群とは、ざっくり簡単に言うとベロの付け根の筋肉、顎とベロを繋ぐ、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋といった筋肉の総称です。
高音域を歌い続けるとこの辺りに痛み、ダルさを感じてくる人が多いのではないでしょうか?
よく「喉が上がる」とか言いますよね?
これは、高音域を発声する時に、発声のフォームが安定していないと、喉頭(喉の軟骨のかたまり)を持ち上げることで高音を出そうとする状態です。
というのは、喉頭を持ち上げることでその上の空間(声道と言います)の体積を小さくすることができます。
空間の体積が小さくなるとそこで共鳴する音も高くなります。
これを本能的に知っているので、無意識に喉頭を持ち上げるんですね。
この喉頭を持ち上げる動きに舌骨上筋群を使うワケです。
舌骨上筋群が収縮することで喉頭を持ち上げている、つまり、ずっと顎の下に力を入れ続けているワケですから、痛みやダルさを感じてくるのです。
腕立て伏せを続けると腕に痛みやダルさ重さを感じるのと同じ原理です。
喉がヒリヒリする原因
声帯の摩擦が強い
次にヒリヒリする原因です。
これは声帯が激しくぶつかりすぎる、あるいは声門を強く空気が通りすぎることで声帯の粘膜が炎症を起こすのです。
激しく拍手を続けると掌が痒くなってくるのと同じ原理です。
このように、筋肉に原因がある痛み、粘膜に原因がある痛みと、全く異なる2種類があります。
どちらも当てはまるという人もいるかも分かりません。
それぞれの解決法
ズキズキ、重ダルい時
ズキズキ、重ダルい原因は舌骨上筋群の過緊張が原因でした。
では、どのように解決すればいいでしょう。
長期的なエクササイズと瞬間的な回復方法をご紹介していこうと思います。
まず、長期的なエクササイズです。
舌骨上筋群に過緊張が起こる主な原因は、空気圧の弱さです。
人間の体は無意識的に、どこかの力が足りないと他のどこかで補おうとするようにできています。
例えば、重たい物を持ち上げる時に、腕の力だけで上がらなければ足が踏ん張ろうとします。
もちろんこの場合は良い補い方ですが、発声においての舌骨上筋群のサポートは、なるべく使わない方がいいものです。
まず、高音発声の原理を考えてみましょう。
高音発声時は声帯は輪状甲状筋という筋肉が声帯を間接的に引っ張っている状態です。
ピンと張った声帯(張力が強い状態)をしっかりと振動させるのに、ある程度の空気圧(量ではありません)が必要なのはイメー時がつくと思います。
もう一つ重要になるのは響かせる空間です。
声帯で鳴った音は声道というその上の空間で共鳴し、声になります。
その空間の中でも、声帯から近い部分(咽頭)は低音域が生まれやすい空間、喉ちんこの奥辺り(上咽頭)は高音域が生まれやすい空間になります。
これまたヒトは本能的に感じているので、上の空間に持っていこうとする動き、そして、そこに届かせるための空気圧を作ろうと、喉頭を持ち上げる動きをしてしまいます。
水道の蛇口にホースをつないだ状態で、蛇口のひねり具合が空気圧、ホースの先を摘まむのが声帯、とイメージしてみてください。勢いよく水を出そうと、蛇口をひねらず、ホースの先を絞っている状態です。
(喉頭が上がることで喉頭管という声帯のすぐ上の筒は縦に縮まる動きをします。その動きで声帯の閉鎖を助ける役割も“ある程度は”期待できます)
まずはしっかり呼気圧を作るトレーニングをしましょう。
ヒリヒリする時
ヒリヒリする感覚は声帯の摩擦が強い時でした。
長時間手拍子を続けると掌が痒くなってくるのと同じ原理です。
これは空気がどんどん押し出されるのに対し、声帯は頑張って閉じようとしている状態です。
(声帯は「ハ」の字気味についているので、舌からの圧力に弱い。つまり息を吐けば吐くほど開こうとする=振動しにくくなる=声にならなくなる)
なので、先ほどのズキズキの時とは真逆で、息の量を減らすことを考えないといけません。
まとめ
このように、原因を正しく分析し、それに応じたトレーニングを施さないと、かえって喉を傷める原因にもなります。
特に最近、体験レッスンに来られる方で、「別のボイトレに通ってるんですけど、発声が悪化した気がして…」という方がやたら多いです。
(これについては改めて記事を書きます)
独学でボイストレーニングができるに越したことはないですが、上手くいっているか不安な場合は、できれば専門家(正しくアナタの発声の特徴を分析できるトレーナー)の指導を受けるようにしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
是非他の記事もご覧ください。
また、レッスンのお申込みも随時おこなっております。
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