2020.08.05ミックスボイストレーニング
地声と裏声を混ぜるための練習-ミックスボイスのワンポイント練習-
いわゆるミックスボイス、地声と裏声を混ぜる発声法。
アナタができない理由はなんだと思いますか?
ファルセットを使うからです!
では、何故ファルセットを使うのか…
地声が強すぎるからです!
詳しく解説していきましょう。
大阪は梅田のボイトレスクール、クリアボイスミュージックスクールのボイストレーナー、谷本恒治ことジウコトモニタです。
今回ご紹介するワンポイントボイトレ。
正直、これがスムーズに出来れば、ミックスボイスは出来たも同然です!
マジ卍。
発音は、
ウィー(wee)
です。
weeの練習ポイント
①そもそもなぜ地声と裏声が分かれるの?
②weeの発音の特性
③ミックスボイス修得のためには
①そもそもなぜ地声と裏声が分かれるのか?
・モーダルレジスター、ファルセットレジスター
何やら聞き慣れない言葉ですが、声帯がどのように合わさるか、ということ。
声帯の接地面が多い状態がモーダルレジスター、接地面が少ない状態がファルセットレジスター。
声帯は肺から送られた空気が当たり、バタバタと振動します。
くっついたり離れたりするんですね。
合わさる面が少ない=開く回数が多い=空気が出ていく量が多い=ファルセット、という感じ。
ソプラノシンガーのような裏声(ヘッドボイス)がモーダルレジスター、少し掠れた感じの裏声がファルセットレジスター、という感じ。
ここではこれくらいにしておきまして…
・音程を決定づける要因
音程が高くなる要因はいくつかありますが、その中に「振動の速さ」というのがあります。
ギターの弦のようなイメージ。
弦をピンと張れば、テンションがかかり、弾くと振動が速くなります。
(ちなみに、1秒間に440回振動するとA4=ラの音程になります)
声帯は、輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)という筋肉に間接的に引っ張られることでテンションがかかり、振動が速くなることで音程が上がります。
<<参照記事>>
・地声(チェストボイス)で頑張るとどうなるか
では、地声(チェストボイス)のまま頑張って高音を出そうとするとどうなるか・
地声では甲状披裂筋(こうじょうひれつきん)という筋肉が張りを作り、厚みのある声を出しています。
先述の通り、音程を上げていくと、輪状甲状筋が声帯を引っ張り、薄く引き伸ばそうとします。
そこで甲状披裂筋(他の筋肉の影響もありますが)がグッと我慢してしまうと、音程を上げられない(=振動回数を稼げない)という状態になります。
ではどのようにして音程を上げようとするか。
意図的に声帯の接地面を薄くすることで振動回数を稼ごうとします。
これがファルセットに切り替わる原因。
つまり、
ミックスボイスを出すためには、モーダルレジスターのまま、低音から高音まで上がって行く必要があります。
声帯の形状が変わるのに、声が繫がるワケないですよね?
よく僕が「裏声の練習は意味がない!」というのはこのためです。
<<関連動画>>
②weeの発音の特性
・“w”は立派な“子音”
日本語で言うと、「ウ」なので、“母音”な気がしますが、れっきとした“子音”です。
です。
なので、(文字では伝えにくい…)母音で「ウ」というのではなく、口をすぼめて空気の流れを制限して「w」と発音します。
こもらせるというか…
日本語はどうしても母音が強い特徴があります。
「ウー」と言ってしまうと、母音が強くなる=声門閉鎖が強くなる=声帯は固くなる=以下、先述、となるので要注意。
・“ee”で狙うこと
さらに母音の中でも閉鎖が強くなるものとそうでないものがあります。
詳しくはマニアックになるので割愛して、「ee(イー)」とうう発音が比較的閉鎖が強くなりすぎない特徴があります。
これを利用して、「閉鎖が強くなりすぎない“モーダルレジスター”」を作ることが目的です。
③ミックスボイス修得のためには
・自転車乗るのに自転車以外で練習しましたか?
自転車に乗るために、まずはハンドル操作だけを練習して…
次にペダルを漕ぐ足の動きだけ練習して…
とやりましたか?
答えは言わずもがな。
けど何故か人は、地声の練習→裏声の練習→さあ、ミックスボイスの練習、と思ってしまっています。
なんて非効率な…!
ミックスボイス修得の為には、ミックスボイスの練習しましょうよ。
・1.5オクターブスケールの目的
1.5オクターブスケール、というのは、その名の通り、約1オクターブ半のスケールを一気に行き来するスケールです。
<<1.5オクターブスケール女性key>>
<<1.5オクターブスケール男性key>>
一気にチェストボイス(低音)からヘッドボイス(高音)まで行き来することで、換声点(ブリッジ)をなくす=ミックスボイスを作る練習に最適なスケールです。
まずはこのスケールをクリアすることが第一ステップになります。
・特に気を付けるべき音
おのスケールの中でも、(ミックスを意識する際に)特に気を付ける音があります。
それは、
3つめの音!
(ドミソドミソファレシソファレド…のドミソ、の「ソ」)
出だしは男性ならC3、女性ならG3という高さなので、逆に強く鳴らす方が難しい高さ。
なので、“柔らかいチェストボイス(閉鎖が強すぎないモーダルレジスター)”を作りやすいはず。
ところが音程が上がっていくにつれて、息も多くなり、「鳴らそう」という意識が強くなっていきます。
この3つめの音「ソ」の音で「wee-wee-weeイー!」と強くなってしまうと、三度先述の通り。
音程を上げにくくなり、“ファルセットレジスター”に切り替えようとしてしまいます。
なので、モーダルレジスターのまま、閉鎖を強めず息を増やさず、一定に上がって行くことで、モーダルレジスターのままヘッドボイスへ移行していく練習です。
なので、チェストボイスを緩める(閉鎖が強くならないように気を付ける)という目的もありますが、そのことで高音でファルセットレジスターにならないようにする、という目的のエクササイズということができます。
結論
①低音=チェストボイスが強くなり過ぎないように“wee”の発音の特性を活かし、
②高音=ファルセットレジスターではなく、モーダルレジスターで上がる
簡単に言ってしまうと、低音と高音の発声バランスを整える、という、あっさり一行で説明が片付いてしまう訳ですが…
ちょっと意識して練習してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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