2020.07.22レッスン
首が前に出る時の改善方法-Iさんのボイトレ課題-
歌っていて、あるいは発声練習をしていて、首が前に出る、という方、結構多いかと思います。
僕も気を抜くとやってしまいがち。。
でも、これが何故いけないのか、どのように改善すればいいのか、あまり詳しく教えてくれている記事を見かけたことがありません。
「首が前に出てはいけません。気を付けましょう」
で?どうしろと?
大阪は梅田のボイトレスクール、クリアボイスミュージックスクールのボイストレーナー、谷本恒治ことジウコトモニタです。
今回は「Iさん(男性・仮名)」のボイトレ課題をご紹介いたします。
Iさんは、ボイトレを受けだした頃、全く裏声を出す感覚が分からない、ましてやミックスなんて、という感じでした。
なんとか、裏声っぽいものが出てはいるものの、B4が限界。
でも、すごく真面目で練習熱心。最近はD5が出るかどうか、というところまでレベルアップしました。
そしてIさんの課題が上の「首が前に出る」という部分。
ここが改善されれば、E5まではいけるようになるはず。
他が上手くいくようになってきたので、ここを徹底的にやっていきたいな、と。
では、
なぜ首が前に出ることがいけないのか?
その原因は何なのか?
解説していきたいと思います。
■首が前に出る時の改善方法
1.首が前に出る原因
発声練習や歌を歌っている時に首が前に出る方、その時に鏡を見てみてください。
首の横あたりに、ムキッっとぶっとい筋肉が浮かび上がっていませんか?
それが、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という筋肉で、首を支える大きな役割をしている筋肉です。
ダッシュした後に「ゼェ、ゼェ、…」と息が荒くなった時にも使っています(呼吸補助筋と言います)。
見て触って分かる通り、かなりぶっとい筋肉なので、力が入ってしまうとなかなか厄介です。
・なぜ首が前に出るとよくないのか?
この胸鎖乳突筋、実は、喉頭には繫がっていません。
声帯を閉じる…披裂筋群、声帯に張りを作る…甲状披裂筋、音程を変える…輪状甲状筋
2.外喉頭筋(がいこうとうきん)…喉頭を支える筋肉。
甲状舌骨筋、茎突舌骨筋、舌骨上筋群、舌骨下筋群、など
つまり胸鎖乳突筋は外喉頭筋ではないのですね。
「関係ない筋肉なら、力が入っていても発声には影響ないんじゃあ?」
いやいや、問題は、何故胸鎖乳突筋に力が入るのか?ということ。
今この記事を読んでいる間、首がムキッてなっていますか?
なっていないですよね?
ということは本来使わなくていいはずの筋肉だということ。
じゃあ本題の何故力が入るのか?
その原因が、茎突舌骨筋、(中・下)咽頭収縮筋と呼ばれる部分。
これは多分、ネット上でどれだけ探しても他に出てきません!
なぜなら僕が自力で発見したから!
茎突舌骨筋、咽頭収縮筋が、喉頭を後ろに引っ張るんですね。
(上の関連記事でも書いているけど、喉が上がる、いわゆる「ハイラリンクス」よりもこっちの方が大変。
よく生徒さんにも話すけど、例えばブルーノ・マーズ。ハイラリンクスだけど上手いでしょ?)
後ろに引っ張られることで気道が狭くなって息が詰まったり、披裂軟骨が上手く回転せずに声帯が閉じにくくなったりします。
おそらく(自分の体で検証した結果なので“おそらく”)、詰まった感、窮屈感を回避したくて、無自覚的に首を前に出したくなるんですね。
その時に使うのが胸鎖乳突筋。
つまりこう。
胸鎖乳突筋に力が入るのはNG
↓
胸鎖乳突筋を使いたくなる原因となる、茎突舌骨筋、咽頭収縮筋の力みはNG
(喉頭を後ろに引っ張り、発声の邪魔をしてしまう)
3.改善するためのエクササイズ
ではどのように改善していきましょう。
上に「で?どうしろと?」と書いたものの…
矯正しかありません…!
一つは「へばりつき作戦」
ただ、これは骨格や頭の形によるので、ご自身でベストな方法を見つけていただくしか…
【ジウコのワンポイントボイトレ】
首が前に出る人、やってみてくださいまし。
ただ、首の角度、頭の乗っけ方は骨格や筋肉の付き方によって違うので、自分で落ち着くポイントを見つけてくださいまし。体験レッスンでもそんなとこ聞いてくれたらお答えしまっせ。https://t.co/F3WJMWujU1 pic.twitter.com/qlGFeJAox2
— 大阪ボイトレ クリアボイス (@clearvoicemusic) July 11, 2020
よく「顎を引きなさい」とかっていう人もいるけど、これも骨格の問題で個人差あり。
やみくもに顎を引くことが良い発声に繋がるワケではありません。
顎を下げても上げても、胸鎖乳突筋は使うので、理想は背骨の上にストンを首が乗っかっている状態を頑張って見つける。
これはただ頑張る。
声を出す前に、首を色々動かしてみて、「あ、乗っかった」というところがあるハズ。
ただし、「背骨の上に乗っける」ので、背骨がまっすぐになっていることが大前提です。
ポジションが定まったら、いよいよ練習。
練習では、スケール(音域)はさほど問題ではなく、発音のチョイスが問題。
まず、咽頭収縮筋に働きかけやすいのが「ガギグゲゴ」の発音。
「g」の“タメ”の時に、咽頭収縮筋を伸ばす動きをしてくれます。
次に「オ」の母音。
オという発音で喉頭が下がり、茎突舌骨筋をストレッチしてくれます。
こんなんもご参考に。
【Hさんのボイトレ課題】喉を開くエクササイズ
喉を「下げる」じゃないっす。喉を「開く」っす。
気道が狭くなると当然空気は通りにくく、詰まった感じの音になるっす。会員専用ページに詳しい解説もあげてるっす。
動画の概要欄にリンクあるっす。https://t.co/hWXzKnX8hp @YouTubeさんから pic.twitter.com/CTSEC1V42n— 大阪ボイトレ クリアボイス (@clearvoicemusic) June 11, 2020
一通りのエクササイズパターンを作ってみましたので、是非ご活用くださいませ。
チェスト(低音)だけでウォーミングアップ・ストレッチ的扱いとしてこれをおこなってから、トレーニングに入る、とかも全然アリ。
チャンネル登録もしくよろ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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