こんにちは。

大阪梅田のボイストレーニングスクール、クリアボイスミュージックスクールの谷本恒治ことジウコトモニタです。

 

以前に、

ボイストレーニング＝ミックスボイスの練習と言っても過言ではない！

と書かせていただきましたが、

[ボイトレ＝ミックスボイスの練習と言っても過言ではない！的な記事はコチラ]

そもそも「ミックス」という言葉が、「地声を裏声を混ぜた…」などといった、特殊能力的な、何やらカッコイイ幻想を抱かせてしまうのですよ。

 

 

そういや僕がボイトレ受けていた時に、先生から「ナチュラルボイス」と教えられました。

今、改めて、この表現が一番適しているのではなかろうかと思うんですね。

つまり、ある高さでは、TA80%、CT20％というミックスの割合がナチュラル、上がっていくにつれて、TAとCTのパワーバランスが変わっていくことがナチュラル、高音域ではTA20％、CT80％とミックスの割合が変わることがナチュラル。

ではどこまでがTAの割合が多くてどこからがCTの割合(「割合」という表現が適しているかはさておき、どちらの力が優勢か、という意味)が多いのか。

本来、そんなことを気にせずに「ナチュラル」に声帯を使えれば「ミックス」になるはず。

んー、ややこしい。

 

 

と、言いながら、僕は下手っぴなので、「もうちょいヘッドを意識しないとな…」、「TA側を意識しないとな…」、「この辺りからチェストを引っ張り過ぎないようにしないとな…」と、いちいち気にしています。
というより、気にしないと出来ない、と言った方が正しいか。

 

 

ただ、このヘッド、チェストといった感覚は、正直言って個人差がある。

この聞く側と歌う側の感覚のズレ(個人差)を、特に最近感じるので、レッスンではなるべくミックスという言葉は使わない。

「すっぽ抜けないように」とか、「鳴らし過ぎないように」とか、物理的な表現ではなく、感覚的な表現をなるべく心がけています。

 

 

もちろん、どこの筋肉が使えていなくて、どこの筋肉に力が入り過ぎていて、という説明はしながら、あくまでもその時に自分でどんな感覚なのかを大事にしてもらっています。

ただ、共通して言えるのは、ミックスボイス(ナチュラルボイス)が上手く出せた時、みんな「あ、こんなもんなんですか…」という感覚みたい。

「意外と頑張らないで出すんですね」というような。

 

 

しかしながら、その感覚を安定させる、例えば発音が変わったり音階が変わったりしても同じように出せるようになるのが難しい。

曲を歌うとなれば、そのシンガーのイメージもあったりしてなおさら厄介。

「発声では出せたけど、曲になると使えない」という問題にぶつかる。

 

 

これはもう、ただただ反復練習しかない。

ゆっくり歌ってみたり、比較的上手くいく発音で歌ってみたり(たとえばウが言いやすければ、歌詞を全部ウーにして歌う)、ブリッジ(ブリッジの説明の記事はコチラ)の部分だけ繰り返し歌う、などなど。

[同じところを何回も繰り返してるヤツ]

 

 

安定してくれば、自分の中で「定義」が出来てくると思います。

結局、感覚的なところにはなりますが…

 

 

大事にしたいのは、それが何ボイスかではなく、その声が好きかどうか。そして楽に出せているかどうか。

正直な所、何ボイスかはどうでもいい。

 

 

レッスン中に生徒さんとのやり取りの中で、意思の疎通(生徒さんがどう感じているか、こちらの意図をどう理解しているか、が通じ合っているというか…)ができていれば、便宜上、「もうちょいヘッドを意識してみ？」などといった表現を使うことはあるけれども、基本的には、こちらが聞いてて「あ、今のいい声だな」と思えばすかさず、「今の、どんな感覚だった？と聞くようにしています。

で、生徒さんが、「○○な感じでした」と、自分なりの感覚で表現してくれたら、「じゃあ、その○○な感じを大事にしていこう！」と言い、「今のはさっきの○○な感じと違って、△△な感じだったんじゃない？」みたいに、あくまでも何ボイスかではなく、単純に上手く行った感覚とそうでない感覚の違いに気づくトレーニングを繰り返す。

そして好きな声と楽に出せた声のバランスというか、この似て非なる二つの感覚の折衷案を模索することも大事。

これについては内容が変わるので別の機会に。

 

下の動画のサムネ、「結局」って2回言っとるな…ミステイク…

 

クリアボイスミュージックスクール

谷本 恒治