2020.02.03ミックスボイストレーニング
【ミックスボイス練習の落とし穴】声が裏返る本当の原因-正しいボイストレーニングの方法
高音で声が裏返る…
高音でガクガクなってしまう…
よくあるお悩みではないでしょうか?
グッとくるバラード、激しいロックナンバーで声が裏返ってしまっては、せっかくの雰囲気も台無しです。
大阪梅田のボイトレスクール、クリアボイスミュージックスクールのボイストレーナー兼代表、ジウコトモニタです。
今回のテーマです↓
声が裏返る本当の原因
地声と裏声が繋がらない、ブリッジ(換声点、これについては下記の参考記事にて詳しく…)が不安定、といった、ミックスボイス習得の際に誰もがぶつかる壁について解説していきます。
声が裏返る原因、発声のメカニズムが分かれば、その改善方法も見えてきますので、是非最後までお読みください。
[参考記事:ミックスボイスを地声っぽく(ブリッジについての解説をしています)]
簡単に自己紹介しておきます。
ジウコトモニタ
ボイストレーニング歴15年、クリアボイス創業10年弱
これまでメジャーアーティストやTVタレント、芸人、アナウンサー、ラジオパーソナリティなど、声を使う仕事で活躍される方のボイストレーニングを数多く担当
その中で培ってきたノウハウで「僕にしかできないレッスンスタイル」を武器にクリアボイスミュージックスクールを立ち上げ、大阪で不動の人気を誇るスクールとなる
最近ではボイストレーナーの育成にも力を入れている
という感じで、ボイトレで失敗したくない人、あるいはすでに一度失敗している人は是非こちらの他のブログをお読みください。
では進めていきましょう。
高音で裏返る時の間違った理解
声が裏返る人の中でも、特に高音で声が裏返る、という方が多いのではないでしょうか?
男性でいうと、hiA(粉雪のサビの高さ)、女性でいうとhiD(愛を込めて花束をのサビの高さ)辺りですね。
この辺りで声が裏返る時に、裏返らないように踏ん張ってしまっていませんか?
これ、大きな間違いです!
先ほどの参考記事でも書いている通り、声にはブリッジ(換声点)というのがあります。
詳しくはそちらの記事に任せるとして、このhiA、hiD辺りは、「2nd ブリッジ」と呼ばれる高さになります。
つまり、1stブリッジ・・・「地声ではなくなり始める高さ」、2ndブリッジ・・・「裏声に近づく高さ」なので、hiA、hiDは、「裏声に近づき始めている、とうに地声ではなくなっている高さ」です。
当然、そこまでを無理に地声で上がっていると、それ以上の高さになった時に急激に裏声になってしまいます。
「粉雪」や「愛をこめて花束を」のサビで声が裏返ってしまう人は、その部分が問題ではなく、その手前(hiAやhiDよりも低い高さ)の発声に原因があるのです。
声が裏返る具体的な原因
では、なぜ声が裏返るのでしょう?
それは、声帯の構造に原因があります。
声帯は粘膜、靭帯、筋肉(甲状披裂筋)という三層で形成されます。
そして、地声っぽさを演出するのが甲状披裂筋です。
筋肉は力が入ると収縮します。
甲状披裂筋が収縮することで声帯に厚み、張りが生まれ、芯のある声=地声が作られます。
一方、音程を上げる輪状甲状筋という筋肉があります。
この筋肉が間接的に声帯を引き伸ばし、音程を変化させます。
当然、声帯が引っ張られると、筋肉は薄く伸ばされていきます。
こうして筋肉が薄くなり、靭帯部分のみが振動した声が裏声です。
この二つの筋肉がバランスを取った状態がミックスボイスです。
高音で声が裏返る原因は、本来輪状甲状筋が声帯を薄く引き伸ばしていかないといけないところを、甲状披裂筋が「そうはさせるか!」と頑張ってしまうことで音程を上げられなくなり、ガクッと力を抜いて諦めてしまうことにあります。
マメ知識
音程を変える要因は、①物質の長さ、②物質の固さ、③振動の回数、です。
声帯が分厚いままだと振動の回数を稼げないので音程を上げにくい。
そのことを感覚的に体が捉えるので、声帯を薄く使うことで振動の回数を稼ごうとするのが声が裏返る状態
このように、声が裏返る人は、本来甲状披裂筋(以下TA)と輪状甲状筋(以下CT)のパワーバランスが、80/20、70/30、60/40、50/50(1stブリッジはこの辺り)、と変化していかないといけないところを、100/0か0/100しかない状態だと言えます。
粉雪のトップの音を、本来30/70くらいで歌うところを、100/0で行こうとして、「無理だ…」と諦めて0/100にしてしまう、といったイメージです。
具体的な練習方法
では、具体的にどのような練習をしていけばいいでしょうか?
簡単に言うとこんな感じです。
声が裏返らないようにする練習方法
①TAに負荷がかかりにくい発音で低音~高音をスムーズに行き来する練習
②徐々にTAに負荷がかかる発音をチョイスしていく練習
③ブリッジ付近でバランスを取る練習
こんな感じとか…
こんな感じとかで“ナチュラルミックスボイス”を作るところから始めるとよいでしょう。
その次に「TAに負荷をかけていく」訳ですが、意図的に力を加えようとすると声帯は固くなってしまうので、上の動画のような練習の延長上で、「あくまでも自然に負荷がかかるような練習」が大事です。
よくやるのはマン(mum)という発音です。
ンーというハミングで息の流れを制限することで、声帯の閉鎖を促すような発音です。
コツは下の動画を参考にしてみてください。
これらを繰り返し練習し、まずはブリッジを克服し、自然に低音から高音まで一本につなげることを意識して練習してみましょう。
まとめ
ではまとめておきます。
声が裏返る原因⇒
その高さが問題ではなくて、その手前の高さの発声に問題がある
声帯を分厚く使いすぎている
改善方法⇒
TAに負荷がかかりにくい発音~徐々に負荷をかける発音で
低音から高音まで一気に行き来する~ブリッジ付近を特に鍛える
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
是非他の記事もご覧ください。
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