2020.12.16ミックスボイストレーニング
裏声とミックスボイスの違い~ミックスボイスの必要知識
こんにちはこんばんは。
大阪梅田のクリアボイスミュージックスクールのボイストレーナー兼代表、ジウコトモニタです。
↓今回のテーマはコチラ↓
裏声とミックスボイスの違い
結論、個人的な体感としてこう言えます。
ミックスボイスは(個人的な体感)
出している感覚は裏声の方が近い
出ている音は地声っぽい
では、「裏声」と「ミックスボイス」はどう違うのか?
これは“声帯の合わさり方”と“倍音の強さ”が関係してきます。
いきなり難しい言葉連発ですが、一つ一つ解説していきます。
このポイントを押さえておくと、劇的に発声、ミックスボイスが楽に出せるようになります。
是非最後までお読みください。
「偉そうに、お前誰やねん!」という方もいらっしゃると思うので、簡単に自己紹介しておきます。
ジウコトモニタ
ボイストレーニング歴15年、クリアボイス創業10年弱
これまでメジャーアーティストやTVタレント、芸人、アナウンサー、ラジオパーソナリティなど、声を使う仕事で活躍される方のボイストレーニングを数多く担当
その中で培ってきたノウハウで「僕にしかできないレッスンスタイル」を武器にクリアボイスミュージックスクールを立ち上げ、大阪で不動の人気を誇るスクールとなる
最近ではボイストレーナーの育成にも力を入れている
という感じで、ボイトレで失敗したくない人、あるいはすでに一度失敗している人は是非こちらの他のブログをお読みください。
では進めていきましょう。
今回のポイントです。
Point
・声帯の合わさり方
・倍音について
・フォルマント同調
・歌声フォルマント
・ファルセット、フォルマント同調、歌声フォルマントの比較
声帯の合わさり方
まず、裏声には2種類ある、ということを知っておく必要があります。
裏声の種類
1.モーダルレジスターでのヘッドボイス
2.ファルセット
この二つの違いは“声帯の合わさり方”です。
モーダルレジスターでは(以下、文字での表現になるのでざっくりしています。イメージで捉えていただければ・・・)、声帯が分厚く合わさる状態。全面と言いますか、下から上まで合わさり、振動する状態を言います。
一方ファルセットは、声帯の下の方が部分的に振動する状態です。
ファルセットの方が声帯が合わさる面が少なくなる分、息が(音にならずに息のまま)出ていく量が増えるため、息っぽい裏声になります。
ミックスボイスを習得するためには、まずこの“モーダルレジスターでのヘッドボイス”が出せないといけません。
この理解がなく、ファルセットに閉鎖を強めればミックスボイスになる、と勘違いしている人が非常に多いです。
ファルセットの閉鎖がきつい版は、小梅太夫です。
[参考動画:ミックスボイス=裏声+声門閉鎖が上手くいかないどころか・・・]
※途中で小梅太夫のデモを実演しています。
倍音について
これまた聞きなれない言葉が出てきましたよ?
倍音ってなんぞや!?
声帯で鳴った音は“喉頭原音”と言います。非常に小さな、蚊の羽の音のような感じです。
これがその上の声道(喉の奥や口の中の空間)を通って大きくなり、声になります。
この音が大きくなるために必要なのが“倍音”です。
フォルマント同調
クラシックやオペラなんかの発声(女性だとソプラノ、男性だとカウンターテナー)を想像してみてください。
なんとなくマイルドな声というか、ロックのような鋭さは感じられませんよね?(どちらが良いとかではなく)
あの人達はなぜああいった声で歌うのか?
それが“フォルマント同調”と言われる発声法になります。
フォルマント同調とは、喉頭原音に対して、第一倍音が強く強調された発声法になります。
このことでオーケストラ(ストリングス)のピークの周波数よりも少し高い周波数にピークをもってくることで、生声でも負けない声量で歌うことができるのです。
周波数に関してはマニアックなので割愛。。
歌声フォルマント
一方歌声フォルマント(シンガーズフォルマント)は、ロックやポップス向きの発声法と言えます。
というもの、ロックやポップスの場合、ストリングスだけでなく、エレキギター、ドラムの音が入ってきます。
特にこのエレキギター、ドラムの音の周波数が、フォルマント同調での発声時のピークの周波数よりも高いところにあるため、声が通りにくくなります。
声楽出身の方で、「声楽の時はホールで生声で歌っていたのに、バンドになると急に声が通らない・・・マイクを使っているのに・・・」なんて経験をされた方も多いのではないでしょうか?
これが声の大きさの問題ではなく、発声法の問題です。
なので、「バンドで声が通らない=声量がない」ではない場合があるということは理解しておかないと、やみくもに大声を出そうとして喉を傷める原因になります。
この歌声フォルマントという発声法で歌うことによって、バンドサウンドよりも高い周波数にピークを持ってくることができるので、無理せずバンドの音量に負けずに歌うことができます。
声楽で言うと、テノール歌手はこの発声法です。
テノールはキーが低い分、ソプラノやカウンターテナーよりも通りにくくなります。
なのでこの発声法で力強さを演出するんですね。
ファルセット、フォルマント同調、歌声フォルマントの比較
高さにもよりますが、個人的にはミックスボイスの体感は“裏声”です。
「ミックスボイスを裏声だと思うと出せない」というアプローチのトレーナーさんもいらっしゃいますが、これらの違いを理解していれば裏声からのアプローチも効率よくトレーニングできるかと思います。
大昔(でもない)に、B’zの「ギリギリchop」でフォルマント同調と歌声フォルマントを比較したものをTwitterに上げてます。
ギリギリchopを練習してみよう。
ファルセット=息っぽい裏声、ヘッドボイス=息っぽくない裏声、当てる感覚は図の感じ、どっちも裏声す。(と言いながら最初抜けかけたな。。後の方聞いて、、スマセン)#ギリギリchop #bz #歌 #レッスン #発声 #ボイトレ #ボーカル #梅田 #大阪 pic.twitter.com/K04kbxpDOT— 大阪ボイトレ クリアボイス (@clearvoicemusic) August 3, 2019
YouTubeでもファルセット、フォルマント同調、歌声フォルマント、ベルティング(また後日解説します)を、粉雪を歌って比較しております。
いずれも、“響かせる空間”がポイントになります。
少々難しいかも分かりませんが、粉雪の比較はベルティング以外は体感は裏声です。
まとめ
それではまとめておきます。
(おそらく)皆さんが思っていらっしゃる裏声は“ファルセット”。
ではなく、モーダルレジスターのヘッドボイスを出すことができれば、ミドルボイス、チェストボイスと境目がなく一本につなげた発声ができるようになります。
この一本につながった“状態”が“ミックスボイス”です。
[参考記事:ミックスボイスが世界で一番分かる記事]
そしてミドルボイス、ヘッドボイスがより地声の時のような鋭いトーン(“地声を混ぜる”ではありません。ここの理解の誤りもミックスボイスが出せない原因です。地声を混ぜるのはベルティング、ミックスボイスができた上での話になります)を出せるのが“歌声フォルマント”による、倍音の強調です。
今までのトレーニングにこの理解を足すだけで急激に上達するのではないでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
是非他の記事もご覧ください。
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