ジウコトモニタ(谷本恒治) クリアボイスミュージックスクール代表 数多くのプロミュージシャンのボイストレーニングを担当し、 TVなどでも紹介される。 発声のメカニズムなど確かな知識に基づいた的確な指導で、 現在も全国各地から受講生が集まっている。

ミックスボイスって結局なんなの？
どうすればミックスボイスが出せるようになるの？

いまだに明確な理解が浸透しないミックスボイスを科学的(医学的)根拠に基づいて定義づけていきます。

 

この記事で分かること
・ミックスボイスがどんな声か
・ミックスボイスの練習方法

 

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ミックスボイスは筋肉バランス

二つの筋肉を理解

ミックスボイスの定義づけは様々な観点からできます。

今回は、、よく一般的に言われる、「地声と裏声の中間の声」という定義で解説していきましょう。

 

それには地声の状態、裏声の状態がそれぞれどのようなものかを理解しておく必要があります。

 

まず地声といわれる声がどのように作られるのか。

 

地声発声時
甲状披裂筋(Thyroarytenoid Muscle＝TA)が活発に働き、声帯に張りと厚みを作る

 

何やら難しいですが、要は声帯を分厚く使おうとする筋肉、という理解でよいかと思います。

 

一方裏声といわれる声はどのように作られるのでしょうか？

 

裏声発声時
輪状甲状筋(Cricothyroid Muscle＝CT)が活発に働き、声帯を引っ張って薄く伸ばす

 

 

TAとCTの働き

つまりこういうことが言えます。

TAが頑張る→声帯が分厚くなる→地声っぽい声の成分が多くなる

CTが頑張る→声帯を薄く伸ばす→裏声っぽい声の成分が多くなる

 

※補足
音程は声帯の振動の回数によって決まります。
(振動の回数が増える＝音程が上がる)
声帯を分厚くする＝分厚くなる分芯のある声にはなるが音程は上げにくい
声帯を引っ張って伸ばす＝音程を上げていけるが薄くなる分地声っぽさはなくなる

 

簡単に言えば、この中間がミックスボイスということになります。

 

 

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ミックスボイスの練習の仕方

ブリッジの理解

ミックスボイスがTAとCTの筋肉バランスで成り立つということが分かりました。
(細かくいうとそれだけではないのですが、ここではこの二つの筋肉の理解で十分です)

 

平均台の上でバランスを取るように、この二つの筋肉のバランスを取るトレーニングが必要です。

そのためにはブリッジ(換声点・パッサージヨ)と呼ばれる部分を知っておく必要があります。

 

一般的にはこのような感じです。

 

平均的なブリッジの位置
男性＝1stブリッジ(地声～ミックス)…E4辺り、2ndブリッジ(ミックス～裏声)…A4辺り
女性＝1stブリッジ…A4辺り、2ndブリッジ…D5辺り

 

これはあくまでも科学的な分析によって解明された、TAとCTがバランスを取るのにより負荷がかかるところ、というだけで、体感として出しにくいところとは限りません。

 

筋トレでダンベルをしていることを想像してみてください。

肘を伸ばしきった状態、肘を曲げ切った状態ではそれほど負荷はかかりませんが、ちょうど画像のような中間地点だと筋肉がプルプルしますよね？

これがブリッジのイメージです。

ここを安定させることでミックスボイスを習得することができます。

 

 

具体的なミックスボイストレーニング

シンプルに、男性＝E4、女性＝A4で「アー」と伸ばします。

そのまま、できるだけ自然にグラデーションをかけて裏声へ、さらに誰にも気づかれないよに自然に地声へ、という、地声⇔裏声の行き来を繰り返してください。

 

初めはガクッとはっきりと地声と裏声が切り替わってしまうかも分かりません。

 

でもそれで全然。まずは切り替えることができないとそもそもミックスボイスもできないので。

そこから徐々に境目をぼやかすという練習をしてみてください。

 

上述のように、ミックスボイスとは何も特殊なテクニックではなく、二つの筋肉バランスというだけです。

自転車に乗る、平均台の上を歩く、というのと同じように、“慣れる”だけで実はミックスボイスは誰でも出せるようになります。

 

ちょい高め＆音程は変えてはいますが、要領」としてはこんな感じです。

 

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まとめ

それではまとめておきましょう。

 

ミックスボイスはTA(甲状披裂筋)とCT(輪状甲状筋)の二つの筋肉バランス
ブリッジ(男性E4、女性A4)では特に二つの筋肉に負荷がかかる
なのでそのエリアで地声⇔裏声の行き来を滑らかにする練習を行う

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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