2020.09.16喉を開く、通る声を作るトレーニング
“声が小さい”アナタ、必読。【ワンポイントボイトレ】
「声が小さくて職場で何度も聞き返される」
「話し声や歌声に説得力がない」
こういったお悩みを長年抱えてはいませんか?
うっかり素人にアドバイスをもらうと、
「お腹から声を出せてないんじゃない?」
なんてデタラメなことを言われてしまいます。
いわゆる“肺活量鍛えろ”系ですね。
では、改めてプロのボイストレーナーが医学的根拠を交えて解説します。
2.声帯の接地面
3.声道の体積
つまり、
肺活量は全く関係ありません!
ただ、“歌う体力”として、心肺機能を高めておくのはおおいにアリです。
上記の要因なくして、「お腹から声出して」は極めて危険です!
もしやっていた人がいたら、今すぐやめてください!
実際に、ウチにレッスンに来られた生徒さんで、初めは本当にマンツーマンで普通の会話の段階で耳をダンボにしないと聞き取れない程の声の小さい方がいらしたのですが、今ではバキバキ紅蓮華を歌っています。
でもレッスンでは一切肺活量だのという内容はやっていません。
声が小さい、とお悩みのアナタ、今から以下の内容を始めてみてください。
目次
①声帯の閉鎖
1.声が出る仕組み
2.閉じれば閉じるほどいいワケではない
3.具体的な練習法
②声帯の接地面
1.接地面??
2.柔らかさが必要
3.具体的な練習法
③声道の体積
1.声が大きくなる仕組み
2.“喉を下げる”の効率の悪さ
3.具体的な練習法
④まとめ
①声帯の閉鎖
1.声が出る仕組み
声は、肺から送られた空気が声帯に当たり、振動することで生まれます。
左右についた声帯が、超高速で拍手をしているような感じです。
つまり、声帯がきちんと振動するように息を吹きかけてあげる必要があります。
この段階で、「息は強ければ強いほどいい」というのが間違いだということはお分かり頂けるかと思います。(息が強ければ声帯は開こうとしますよね?)
2.閉じれば閉じるほどいいワケではない
「じゃあ、閉じれば閉じるほどいいのか?」
残念ながらそうではないんです。
完全にギュッと声帯が閉じた状態って、どんな状態でしょう?
そうです。
息を止めている時です。
当たり前ですが、息を止めて声は出せません。
つまり、適度な閉鎖とそれに見合った適量な息が発声には必要になります。
3.具体的な練習法
では、どんな練習が適しているのでしょうか?
まず一番ベーシックなのがリップロールです。
プルルルル・・・と唇を震わせるアレです。
唇を震わせる(口を完全に開いた状態よりも出口を制限した状態)ことで、息を吐く量を調節してくれる、結果、無理に声帯を閉じようとせずとも、自然に振動してくれる、という、とても便利なエクササイズです。
「リップロールは声帯を暖めてくれます」
という解説は、何も分かっていないか、説明が面倒だから省いているかのどちらかです。
正直、ひたすらリップロールをやっているだけで、発声は劇的に変わります。
②声帯の接地面
1.接地面??
何やら難しそうな話ですね。
上の声帯閉鎖と、近いようでそうでもないようで、な話なのですが、先ほど、「拍手のような」とお話しました。
これはなかなか文字で表現するのは難しいのですが、声帯が合わさった瞬間、音が鳴ります。
そして離れた瞬間に息が出ていきます。
これを物凄い速さで繰り返しているんですね。
当然、離れた息が出ていく瞬間というのは音にはなりません。
なので、合わさっている時間が長い方が、より声の成分が増える、という仕組みです。
うーん、難しい。。
2.柔らかさが必要
かといって、グッと力を入れてしまうと、今度は音程を作りにくくなります。
音程は、声帯を間接的に引っ張る筋肉(輪状甲状筋)によって変わるのですが(ギターの弦を引っ張るのと同じ原理)、声帯の筋肉が硬くなると、上手く引っ張ることができなくなります。
音域が狭い人はこれが原因である場合もあります。
なので、グニュッと分厚く合わさるようなエクササイズが必要になります。
3.具体的な練習法
声帯を分厚く合わせるようなエクササイズには「ガ行」の発音が最適です。
「カキクケコ」という発音より、「ガギグゲゴ」という発音の方が発音時により声帯が合わさろうとします。
実はきちんと発音しようと思うとかなり難しい練習ではありますが、大きい声、強い声を作るには必須のエクササイズです。
③声道の体積
1.声が大きくなる仕組み
声帯で鳴った音は喉頭原音といって、ハエの羽のようなとても小さい音です。
この喉頭原音が、上の声道と言われる空間で拡大され(共鳴といいます)、大きくなります。
メガホンのような役割ですね。
当然、メガホンが大きければ大きいほど、音は大きくなりますよね?
エレキギターは空洞がないので共鳴スペースがなく、生音で弾くとチャカチャカとしか鳴りません。一方アコースティックギターは空洞で共鳴し、エレキギターに比べ弦も太い(声帯でいうところの分厚さ)ので、より大きな音が鳴ります。決してピッキングの強さによるところではありませんよね?
(ちなみにギターもピッキングが強ければ強いほどいいワケではありません)
2.“喉を下げる”の効率の悪さ
そのメガホンの役割を果たす声道、当然できるだけ広く使えた方がいいのですが、それに関してこういったことを耳に(目に)したことありませんか?
「喉は下げて歌いましょう」
これ、極めて非効率!
声道でも、声帯から近い順(低い位置の順)に、咽頭(喉の奥)、口腔(口の中)、鼻腔(鼻の中)とあります。
そして不思議と、低い位置に行くにつれて、低い音程が強調されるようになります。
喉を下げて低い音程を強調するとどうなるか。
確かに、声は太くなりますが、その分、高音を出し辛くなるというデメリットもあります。
“喉を下げる”意識はほどほどに、口の奥を開いておくと、上から下まで全体的に空間の響きを使えるようになります。
3.具体的な練習法
もちろん、喉が上がっている状態がいいワケではありません。
ここでは、喉を下げるというよりも、“喉が上がりにくくする”エクササイズをおこないましょう。
発音は「オ」の母音であれば、子音は大抵何でもオッケーです。
「オ」というと、喉が自然に下がります(無理に下げようとしなくて大丈夫です)。
しっかりと「オ」の形、その時の音を意識して練習を行います。
ただし、「オ」というのは、喉は下がるのですが、舌が奥に引っ込む発音でもあります。
せっかく喉が下がって、咽頭部分にスペースができても、舌が埋めてしまう場合もあります。
なので、「イ」の発音(「イ」は舌が前に動く発音)と織り交ぜながらおこなうと効果的です。
「オ」の開き具合を意識して「イ」
「イ」の舌の位置を意識して「オ」
とおこなってみてください。
④まとめ
先日、生徒さんでスーパーでアルバイトをしている方がいらして、「レジをしているとすぐに声が枯れてしまう」と相談を受けました。
スーパーだと年配の方も多く、ましてやマスクをして、さらにお客さんとの間にアクリルのパネルもあるので、声が通りにくいんですよね。
聞くと、「聞き返されるんでついつい大きな声を出そうとしてしまう」とのこと。
そこで、「大きな声を出そうとすると息が多くなって、結果息だけが前に出て通る声にはならないよ。大きくしなくていいので、声帯を合わせることを意識して接客してみ?」と答えました。
次のレッスンで結果を聞くと、「全然聞き返されなくなって、声も枯れなくなりました!」とのこと。
是非実践してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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