2019.09.07ミックスボイストレーニング
【高音開発】ミックスボイスを地声っぽく!【ボイトレ】
こんにちは。
大阪梅田のボイトレ・ボーカルスクール、クリアボイスミュージックスクールの三流ボイストレーナー、谷本恒治ことジウコトモニタです。
誰が三流やねん!
今回は、“高音の発声法”について、少々科学的に分析して解説してみようと思うでふ。
目次
- ○ 何故高い声を出すのが難しいのか?
- ・ぶりっじ??みっくす??
- ・うらごえ??へっどぼいす??
- ○ ヘッドボイスは実は十分歌声として使える!
- ・クラシカルなヘッドボイス、ポップなヘッドボイス、ファルセットの違い
- ・響きの違いを感じてみよう
- ・何故クラシカルな裏声がロックやポップに向いていないのか?
- ・では具体的なヘッドボイスの練習法とは?
- ○ 最後に
何故高い声を出すのが難しいのか?
高い声が難しい主な原因は、筋肉のバランスにあるでふ。
決して力が足りない=鍛えないといけな、というワケではないでふ。
むしろ、力が過剰に働いている可能性大でふ。
では何故過剰に力を使ってしまうのか、原因を解明していきまっしょい。
ぶりっじ??みっくす??
声には「声区(ボイスレジスター)」というのがあるでふ。
チェストボイス、ミドルボイス、ヘッドボイス、スーパーヘッド、ホイッスル(僕はできまへん)、とかいうヤツでふ。
声帯には…
間接的に声帯を引っ張ることで張りを作る筋肉(輪状甲状筋=CT)
と、
声帯を収縮させることで張りを作る筋肉(甲状披裂筋=TA)があるでふ。
TAの力の方が優位になっていると地声(チェストボイス)っぽく、
CTの力の方が優位になっていると裏声(ヘッドボイス)っぽくなりるでふ。
- 声帯を引っ張って音程を上げる=TAは薄くなる=ヘッドボイス
- 声帯を収縮させて厚みを作る=音程は低くなる=チェストボイス
という風にイメージでふな。
このパワーバランスが変わって行く所が「ブリッジ(パッサージョ)」でふ。
違う観点から説明すると多分違うこと言いますので悪しからず…
これをチェスト→急にミドル→急にヘッド、ではなく、自然にパワーバランスを変えてブリッジを移動していきましょう。というのが「ミックスボイス」
「ミックスボイス」という言葉が一人歩きして、色々な解釈をされていますが(基本どれも正解です。考え方の問題だったりするので。)ここでは「チェスト・ミドル・ヘッドを繋げること」がミックスボイス、と定義させていただくでふ。便宜上。
うらごえ??へっどぼいす??
で、このブリッジというのが以下の通り(個人差あり。と、僕が今まで出会ってきた人の統計を元に)
女子…1stブリッジ=A4~C5、2ndブリッジ=D♭5~F♭5
前述の通り、個人差あるので広めに。そして3rdブリッジ以降は置いといて。
有名どころで「こな~ゆき~」の「な~」がA4。女性なら愛を込めて花束をのラスト(転調後)「いつまで~も~」の「で~」がE5。
つまり、これらは「ヘッドボイス」なんです。(地声で出せる、とか、どっちがいい、とかではなく、発声的に)
「粉雪が難しい」、「愛を込めて~のラストがキツい」と感じていた人は、ミドル、あるいはチェストで持ち上げようとしていたことが原因です。
「じゃあ、裏声で歌うの?それだと雰囲気出ないよ…」
そうでしょうそうでしょう。そんなアナタの反応、待ってました。
じゃあ、裏声を地声と変わらないボリューム、強さで鳴らせたらどうでしょう?
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ヘッドボイスは実は十分歌声として使える!
高音発声のコツ(あくまでもベースとなるもの)は、ヘッドボイス(裏声)です。ということが理解していただけたと思うでふ。
でもオペラ歌手のような声で「こな~ゆき~」では藤巻さんの熱い感じが再現できないですよね?
次はヘッドボイスの鳴らし方を考えていきましょう。
クラシカルなヘッドボイス、ポップなヘッドボイス、ファルセットの違い
まずは下のリンクの声を聞いてみてくださいまし。
(すみません。上にリンクを持ってくる方法が分からないので…)
これ、どちらも「裏声(ヘッドボイス)」でふ。
(動画でファルセットと言ってますが、ヘッドの発声になってた…)
ヘッドボイスの定義はTAが薄くなった状態で、声帯の靭帯にテンションがかかって振動している状態。
ざっくり。
ファルセットはそれでいて二枚の声帯が薄く合わさっている状態。
さらにざっくり。
手のひらでイメージしてみましょう。
手を合わせて人差し指から小指まで合わさっている(パタパタ振動している)状態がヘッドボイス。人差し指と中指が合わさっている(パタパタ振動している)状態がファルセット。
その合わさっている指がムキムキな状態がチェストボイス。
ざっくり。
でリンクの二種類のヘッドボイスについて。
これはどちらも指はムキムキではない状態。では何が違うのか。
それは「声帯から上の形」の違いなんでふ。
声帯で鳴った音は「喉頭原音(こうとうげんおん)」と呼ばれ、ハエの羽のような「ブーーー」という音(多分ビーーーの方が近い)をしてるでふ。
それを咽頭、口腔、場合により鼻腔、=総称「声道(せいどう)」と呼ばれる空間で声になるでふ。
響きの違いを感じてみよう
「え」と「う」だと、響き方が違うくないですか?
(「え」の方が鋭く聴こえるのではないでしょうか?)
これは声帯の形、マッチョ具合が変わった訳ではなく、声道の形が変わることで音色が変わっているんですね。
この「声帯で鳴った音は、声道の形に影響を受ける」という考えを「非線形の音源-フィルター論」と言います。
前者(クラシカルな方)では軟口蓋というのどちんこ(口蓋垂)手前の柔らかい所が持ち上がった状態で、そこで響いた音色です。
一方後者は、口蓋垂が少し下がり、鼻腔に入りかけ、くらいの所で響いた音色です。
どちらが正解、というものではなく、口蓋垂ごと軟口蓋が上がっているか、軟口蓋は上がっているけど口蓋垂は下がっているか、の違い。ざっくり。
そしてファルセットというのがもう少し声帯が合わさる面が少なくなる感じ。なので合わさっていない時間がヘッドより増えるので息っぽさが出てくる感じです。
こちらはB’zさんの「ギリギリchop」で2種類のヘッドボイスを実践。
何故クラシカルな裏声がロックやポップに向いていないのか?
クラシックや声楽出身の方で、女性ならソプラノ、男性ならカウンターテナーで歌われていた方。
「以前はオーケストラの中で生声でバンバン歌ってたのに、ポップス(ロック)に転身したら全然声が通らねえ!」
あるいは、
「生声は声量そこそこあるつもりなのに、マイクを使うと全然抜けねえ!」
という経験された方も多いんじゃあないでしょうか?
それ、声量の問題ではありません!
また長くなるのでざっくりと。
主な楽器…バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス
これらの一番強く鳴る周波数…400Hz辺り
で、いわゆる“クラシカルヘッド”とでも言いましょうか…この声の一番強い周波数が500Hz辺り。
なので、弦楽器より少し上の周波数を強く出すので生声でも抜けてくる(通りやすくなる、という意味)。
で、例えば
主な楽器…エレキギター、ベース、ドラム
で、このエレキギターの主にコードバッキング、ドラムのスネアのスナッピー(底の編み編みの金属)、バスドラムのアタック音、これらがだいたい2kHz辺りを強く出すので、“クラシカルヘッド”で歌うと埋もれる。
これはいくらマイクの音量を上げても、元々出てない周波数を持ち上げることはできないんで変わりません。
で、上の二種類の後者。“ロックヘッドボイス”とでもいいましょうか…
これがだいたい3kHz辺りが強く鳴るので、バンドで歌っても抜けてくる。
つまり、「ヘッドボイス(裏声)」で歌っても十分通用する声になるというワケでふ。
では具体的なヘッドボイスの練習法とは?
ここでは比較的多そうな悩みを解決してみようと思いまふ。違ったらすみません。
女性…高音域に入るとファルセットっぽい裏声しか出せなくなる。
としまして…
男性の場合は「地声が強い=裏声を練習する」と思いがちですが、そうすると「地声も強い、そして裏声も強い」になるだけでさらにミックスからは遠のくでふ。
地声(TA)が強すぎるなら、少し力を落としてやればいいだけです。(「だけ」と簡単に言いますが、これが苦労するんだよね…僕も苦労した…)
なのでTAに負荷がかかりにくい発音で練習。(以下、練習方法は動画にまとめます)
次に、「TAを使い過ぎないまま」ヘッドボイスに移行していく練習をしてみる。
女性の場合はファルセット(声帯が薄く合わさっている状態)からもう少し声帯を厚く使ってあげる練習(きつく、強く、ではありません)、その次に3kHzらへんが鳴りやすいポイントに音を持っていく練習が良いのではないでしょうか?
どちらもポイントは「地声を入れようとしない」ということ。
「裏声やで?裏声やで?」と自分に言い聞かせながら上がって行く。(地声を入れる練習もありますが、それはまたおいおい…)
感覚としては、「裏声に逃げようとするけど、逃げ切れない」くらいな感じかな。あくまでも裏声。
動画では“女性用”と言ってますが、男性も2ndブリッジ辺りでやってもらえれば…
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最後に
なかなかブログで解説するのは難しい練習内容ではあるのですが…
どうしても「ボイトレ」というと「鍛える」というイメージを持たれる方も多いと思いますが、鍛える部分なんて皆無と言ってもいいくらい。使っていなかった筋肉の使い方を知る、気づく、ということはあるけど、それを「鍛える」ということは必要ありません。
特にソプラノ出身の女性にとっては悩みが解決する内容なのではないかと思うのですが、いかがでしたでしょう…
ここから地声(TA)を入れて行くにしても、ベース(すでにある程度強く鳴らせている状態)ができていれば楽チンではないかと。実際、“クラシカルヘッド”にTAを入れようとしてもなかなか上手くいかないんじゃないかな?
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