2019.08.29ミックスボイストレーニング
誰もが知りたかった高い声の出し方
最近の曲はキーが高い!
でも、キーを下げずに歌いたい!
あれこれサイトで調べたり動画を見たりしたけどイマイチ分からない…
そんな“高い声の出し方”、全部分かります!
目次
- ○ 高音になるとキツくなる原因
- ・声の出る仕組み
- ・低音発声と高音発声での声帯の違い
- ・では何故高音発声が難しいのか?
- ○ 改善策はコレだ!
- ・ミックスボイスって?
- ・より効果的な練習法がコレ!
- ○ まとめ
高音になるとキツくなる原因
なぜ高い声になるほど苦しい、出しにくいのでしょう?
それは声帯の構造や発声の仕組みが大きく影響しているんです。
声の出る仕組み
喉の奥には「声帯」と呼ばれる2枚のヒダがあり、息を吐いた時に、この2枚のヒダが“不完全に”閉じることにより、パタパタ…と振動します。
これを「喉頭原音」といい、ハエの羽のような「ブーン」という音が鳴っています。
※完全に閉じた状態では息が止まっています。重たい物を持ち上げる時などに、声帯が完全に閉じることで息の流れを止め、体に力を入れることができるようになっています。逆に声帯が開いている状態では自然に呼吸をしている状態です。
この喉頭原音が喉の形、口の形、舌の形によって音色が変わり、「声」となります。
この声を使って言葉を発したり、歌を歌ったりすることが出来るワケです。
「こんにちは」と言ってみましょう。
口や舌や顎が瞬時に色んな動きをすると思います。
なんてテクニカルなことを自然にやってのけているんでしょう…!
そうなんです。「声」は自然に(テクニカルに)発せられるんで、歌を歌う時も身構えなくて大丈夫なんです!
低音発声と高音発声での声帯の違い
では、なぜ高音での発声が難しいのか?
それは声帯の構造についてお勉強する必要があります。
いや、必要ないっちゃあないかも…
なので、難しい話が苦手な方は飛ばしていただいて大丈夫です。(でも知っておくとかなり役立ちます。どっちやねん!)
声帯は甲状軟骨という、男の人でいう、喉仏がある軟骨の内側に張っています。
声帯は三層に分かれていて、外側から、粘膜、靭帯、筋肉(甲状披裂筋)です。
2枚の声帯が近づき(この原理は割愛…また何かの機会に)、甲状披裂筋が収縮し、張り(以下、テンションと表現)を作ることでしっかりと振動してくれます。
筋肉は収縮すると厚みが出る(力こぶができるのと同じ原理)ので、声帯が分厚くなる、というイメージ(細かい話をすると一冊本を書かないといけなくなるので、イメージだけ捉えてもらえれば大丈夫です)
これが“地声”と呼ばれる声です。
そして、甲状軟骨の下に輪状軟骨という軟骨があり、この二つの軟骨を繋ぐ筋肉(輪状甲状筋)が収縮することで、甲状軟骨を前下方向に引っ張り、間接的に声帯が引っ張られることで音程を作っています(ゴムをピンと張ると音程が上がるイメージです)。
声帯を引っ張ることで筋肉は薄く伸ばされるので、声帯は薄く振動するようになります(これもイメージです。超マニアックな解説はいずれ…)
これが“裏声”と呼ばれる声です。
このように、低音と高音では、声帯の形が変わる、と思っていただければよいかと思います。
では何故高音発声が難しいのか?
男性女性問わず、「高い声を出すのが難しい」と感じる方は多いんじゃないでしょうか?(女性では「高い声の方が出しやすい」という方も割かしいらっしゃいます)
これは、先ほどの、甲状披裂筋と輪状甲状筋のバランスが上手くいっていない状態、と考えられます。
具体的に…
輪状甲状筋が収縮すると声帯を前に引っ張るのに対し、甲状披裂筋が収縮すると声帯を後ろに引っ張る動きになります。
綱引きをするようなイメージですね。
この綱引きが、高音に行くにつれて輪状甲状筋が優勢に、低音に行くにつれて甲状披裂筋が優勢にならないといけないハズなのに、高音域に入ってもまだ負けじと甲状披裂筋が頑張ってしまっている状態。
これが“張り上げ”と言われる状態。声帯が分厚く合わさる分、振動回数を稼げなくなるので、音程を上げにくくなっている状態です。
※音程が上がる要因は色々ありますが、ここではイメージしやすいように振動の回数だけを捉えて。振動が早くなると音程が上がる、逆に遅くなると音程が下がる、とイメージしてください。
最初に書いた、「低い方が苦手だ」という方は、その逆の現象(音程が下がって行って、輪状甲状筋が緩んでいってるけど甲状披裂筋も緩みっぱなし)が起きているか、高音時に甲状披裂筋が過度に緊張状態になり、その緊張を引っ張ったまま下がってきているか、と考えられます。
改善策はコレだ!
それでは、具体的な解決策を見ていきましょう。
発声のタイプは十人十色なので、あくまでも参考程度に。。
ミックスボイスって?
“ミックスボイス”
一度は調べたことがある方もいらっしゃるかも分かりません。
実は定義は曖昧で、お医者さんによっては「ミックスボイスなど存在せん!」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
ここでは、以下の定義でお話を進めていきたいと思います。
チェストボイス(低音発声、甲状披裂筋が優勢)→ミドルボイス(中音域、比較的五分に近いパワーバランス)→ヘッドボイス(高音発声、輪状甲状筋が優勢)
この「→」の部分が「ブリッジ」と呼ばれ、パワーバランスが大きく変わっていく部分と言われます。
このなんちゃらボイスを、ブリッジで崩れることなく(ブレイクと呼ばれたりします)スムーズに上下できる状態をミックスボイスと呼びます。
※本来、筋肉をストレスなくスムーズに使えた場合、こうなるハズ、という意味では、お医者さんの「ミックスボイスは存在せん!」も一理あるかと…
より効果的な練習法がコレ!
ここからは個人差あり。色々試して自分に合った練習法を見つけていただければ。
「ミックス」を前提に考えて、「ブリッジ」でどうなっているか、を見て行けば、どんな練習が最適かが見えてきます。これ、重要。とても重要。
もう一度言います。とても重要。ブリッジでどうなっているか。
有名な曲でいってみましょう。
男性ならコブクロさんの「桜」、女性なら一青窈さんの「ハナミズキ」。
これらの曲のサビが「1stブリッジ」と呼ばれるところに差し掛かります。
A)サビで声が大きくなる
B)サビで喉が締め付けられた感じになる
C)サビで裏返る
D)サビでガクガクなる
これくらいかな…
A)の方、いわゆる“張り上げ”かも。輪状甲状筋が優勢になり始めないといけない音域で、声帯を分厚く使おうと頑張り過ぎているかもです。
なので、「ウィー」「ギー」など、声帯を激しくぶつけ過ぎない発音で練習してみましょう。
B)の方、高音に行く準備はできているけど、その周りの筋肉の圧迫によって声帯が振動しにくくなっているかもです。(主に甲状舌骨筋といって舌骨と甲状軟骨の間の筋肉)
なので、「バッ」などで舌、顎、首の力を緩めてやる練習をしてみましょう。
C)の方、Aの方とは逆に、甲状披裂筋が諦めてしまうのが早いのかも分かりません。
なので、「ガッ」など、甲状披裂筋に働きかけやすい発音で練習してみましょう。
D)の方、ガクガクなるのは、二つの筋肉がバランスを取ろうとして上手くいかないだけと考えられます。(バランスを取ろうという動きはできている状態)
なので、「イー」などの母音のみ、徐々に「アー」などの強い母音にしていき、ブリッジ(これらの曲のサビの高さ)辺りをひたすら行き来する練習をしてみましょう。
まとめ
上にも書きましたが、ご紹介できるのはほんの一部で、発声のタイプは十人十色。
練習用の動画をいくつかYouTubeに上げてますんで、「自分のタイプはこれだな」と思うヤツで練習してくださいませ。
「自主練用」ってタイトルに書いてるヤツです。
そして、これらはあくまでも「きっかけ」だと思うんで、より自分の発声を良くしたい!カラオケでモテたい!(ここ、重要。)という方は、是非一度無料体験レッスンにお越しくださいませ。
では。
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