2020.11.07trainer's column
ボイトレで驚くほど上達する発声のチェックポイント-
こんにちはこんばんは。
浪速のボイストレーナー、ジウコトモニタです。
「ジウコのボイストレーニング論」、シリーズ化していきますんで、是非お付き合いくださいませ。
ここでは、発声のメカニズムや、ボイストレーナーが生徒さんの発声のどういった部分に耳を傾けているかなどを解説していきます。
ボイトレを独学でおこなっている方にとって目から鱗がドロドロ出る内容となっています。
また、現在ボイストレーナーとして活躍されている方、ボイトレスクールを運営されている方の参考文献としてもお使いいただける内容かと思います。
よければシリーズ1回目からお読みいただく方が、より理解が深まるかと思いますので順にご覧ください。
発声のチェックポイント
さて、今回は「発声練習において気を付けるべきこと」をテーマにお話を進めていきます。
ここを見誤ると大変なことになり、ボイストレーナーさんも、たとえそのメソッドが確かなものであっても、生徒さんにとっては何の役にも立たないものとなってしまいます。
先日、こんなツイートをしたので紹介しておきます。
【ボイトレ自主練で意識すること】
・声量が適切か
・ブリッジ付近でどうなっているか
・発音(母音・子音)はしっかりできているか何ボイスとかでなく、これだけ気を付けられればおk。
ジウコ
— 大阪ボイトレ クリアボイス (@clearvoicemusic) October 26, 2020
実は具体的には(ボイストレーナーとして仕事をするには)もう少し情報が必要なのですが、そちらはnoteの方に書かせていただいております(一部有料)。
noteの方もかなり(というかエグイくらい)有益な情報になっていますので、より専門的に知りたい方は是非ご覧ください。
ボイトレ初心者の方はこちらの記事でまずは十分かと思います。
声量とは?
よく「声量がほしい・・・」「通る声を出したい・・・」とレッスンにお越しいただく方もいらっしゃいますが、声量=パワーではありません。
[参考記事:声が小さいアナタ、必読]
声量、声の大きさは以下の要因に影響を受けます。
・声道の体積
・声帯の振動面
何やら難しい、算数で聞いたことがある言葉が登場しましたが・・・
声帯と言うのはサイズで言うと女性の小指の爪くらい、厚みでいうとサランラップくらいのものです。
この小さな小さな部位がバタバタと振動した音は、蚊の羽の音くらいの大きさです。
これを喉頭原音(こうとうげんおん)と言います。
この喉頭原音が、上の空間(これを声道と言います)で共鳴し、声になる訳です。
言うならば、上の空間がメガホンの役割をしているんですね。
当然、メガホンは大きければ大きいほど、音を拡大してくれます。
これが声の大きさを決める一つの要因です。
もう一つの“声帯の振動面”について。
声帯には筋肉の層があり、その筋肉に“ある程度”力が入ることで張りのある声が出せます。
ところが、力が入り過ぎると声帯が固くなったり、きつく合わさり過ぎて振動が小さくなってしまいます。
なので、“ある程度”のリラックス感があった方が声帯はより振動しやすく、芯のある音を作りやすくなります。
※外側甲状披裂筋という声帯の外側の筋肉が関係してくるのですが、こちらもnoteの方で詳しく書いていますので、興味のある方は是非。
力任せに出すことが声量に繋がる訳ではないということ、そして、その力任せの声が人の耳に心地よいものではないかも知れない、ということを覚えておいてください。
ブリッジについて
ブリッジとは、換声点と言われたりしますが、声帯の筋肉のバランスが取りにくくなる音域のことを言います。
というと、なにやら難しいのですが・・・
声帯は粘膜・靭帯・筋肉から形成されます。
その筋肉を甲状披裂筋(Thyroarytenoid muscle、以下TA)と言います。
TAが厚みを作ることで、分厚い声=地声を出すことができます。
それに拮抗する形の筋肉が輪状甲状筋(Cricothyroid muscle、以下CT)と言います。
この筋肉は間接的に声帯を引っ張り、伸ばしていくことで音程を変えてくれる筋肉です。
(ギターの弦を張ったり緩めたりするようなイメージです)
CTが声帯を引っ張っていくことで、声帯は薄くなり、裏声に変化します。
この引っ張り合い(かつ助け合い)の状態をミックスボイスといい、お互いの筋肉がバランスを取りあうのが難しい音域がブリッジです。
つまり、低音→高音への上昇でいうと、徐々にCTが音程を上げていけるようにTAが身を委ねていく、といったイメージです。
(正確に説明するとめちゃくちゃややこしいので、このイメージで大丈夫です)
一般的にブリッジは以下の通り。
男性・・・1stブリッジ→E4辺りから、2ndブリッジ→A4辺りから
女性・・・1stブリッジ→A4辺りから、2ndブリッジ→D5辺りから
この“辺りから”が案外ポイントです。徐々にグラデーションをかけて裏声に変化していくのが、ミックスボイスの練習で非常に重要です。
発音について
ここも意外と重要なポイントです。
クリアボイスミュージックスクールでもよく使う「マンマンマン・・・」というエクササイズ。
「ンー」で息の流れを制限することで、より自然な声門閉鎖を狙う発音です。
これが、「マーンマーン・・・」と、口を開けている時間が長くなる、もっといくと「マーマー・・・」になる(これはこれで、こういう練習方法はあります)。
こうなっている時は、体は息を押し出そうとしているということなので、「マンマン・・・」で得られるはずの効果は極端に薄れます。
このように、それぞれの発音のチョイスにはそれぞれ意味と目的があるので、「どこを気を付けて練習すればよいですか?」と聞かれれば「発音そのものです」ということになります。
まとめ
ではまとめておきます。
ボイストレーニング(自主練、トレーナーさんは生徒さんの発声)でチェックするポイントは、
・声量が適切か
・ブリッジ付近で何をしているか
・発音は正しくできているか
まずはここをしっかりと押さえておきましょう。
さらに細かくチェックしたい、指導の参考にもっと詳しく知っておきたい、という方はnoteの方の記事もご覧ください(一部有料)。
[(裏)ボイストレーニング論:2-1発声のチェックポイント]
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
是非他の記事もご覧ください。
また、レッスンのお申込みも随時おこなっております。
オンライサロン[Umi Manati]でも発声のお悩み相談を受け付けております。
詳しくは下記リンクをご覧ください。
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