こんにちは。

大阪梅田のボイトレ・ボーカルスクール、クリアボイスミュージックスクールの谷本恒治ことジウコトモニタです。

 

時々される質問で、「裏声で急に弱くなるのはどうしたらいいのか」というのがあります。

 

裏声がバチッと決まるだけで歌の表現もグッとUPしますよね？

 

特に最近の曲はキーが高い曲が多いので、弱々しい裏声で歌っても雰囲気が出ません。

 

 

なので、今回は、裏声を地声と変わらないくらいに鋭く強く出すための「ヘッドボイス」というのを紹介したいと思います。

 

——以下、ボイトレの先生によって表現の仕方は様々なので、あくまでもクリアボイスで使っている表現です——

 

裏声には「ファルセット」と「ヘッドボイス」の2種類があります。

 

ファルセット…息っぽい裏声

ヘッドボイス…息っぽくない裏声

 

かなり雑な分類ですが…

 

 

なので、息っぽいファルセットから、息っぽくなくなる＝声っぽい割合が増える、ので、地声と変わらない強さで出すことができます(地声っぽくなる、というニュアンスではありません。それはまた別のトレーニングとして…)

 

ポイントは2つ。

 

・体から空気が抜けないようにしっかりと支えること

・軟口蓋ではなく、もうちょい奥(“アデノイド”といって、鼻の奥とも口の奥とも言えない所、鼻腔に入りかけ、くらいの所、うーん。。)に強く当てること

 

“体の支え”という言葉があまりなじみがないと思いますが…

 

人は息を吸う時に“呼吸筋”というのを使います。

 

【呼吸筋】

外肋間筋…肋骨の間の筋肉。これが収縮することで肋骨を外側に引っ張り、間接的に肺を外側に引っ張って空気を入れます。

横隔膜…肺の下のドーム状の薄い筋肉。これが収縮することで肺を下に引っ張って空気を入れます。

 

つまり、呼吸筋というのは「息を吸う時のみ」活躍します。

 

では、吐く時はどうするか。

 

上記筋肉の力が抜けるだけで勝手に息を吐きます。

 

これが呼吸。

 

で、色んな所で解説しているので端折りますが、息は吐けば吐くほど、残りの空気圧は低く(弱く)なり、力のない息になって行きます。

 

なので、しっかり吸う→無駄に吐かずに支える、というのが必要になります。

 

※なので、「お腹をへこます」だのなんだのが、「なんだ、間違っていたのか、どうりで上手く歌えないワケだ！」と腑に落ちたのではないかと思います。

 

[この中に呼吸筋の使い方、さらにその中に詳しい解説のリンク貼ってます]

 

で、強い空気を作る体の準備が出来たら、それをどのように使うか。

 

それが前述の“鼻の奥とも口の奥とも…”というところ。

 

初めは難しいかも分かりませんが、ここに持っていけたらヘッドボイスはほぼほぼ完成。

 

コツは、まずファルセットを出して、徐々に強く、奥の方に当てていく感じでやると感覚を掴みやすいのではないでしょうか？

 

一番下にギリギリchop(B’zさん)のサビを、ファルセットとヘッドボイスで歌った動画を貼っておきますので良ければご参考に…

 

[あと、こんな練習とかもオススメです]

いわゆる、エッジボイス(ボーカルフライ)というヤツです。

 

最近ちょくちょくやっている「喉歌い解消」にも役に立ちます。(喉で声を作ろうとすると“鼻の奥とも…”のところには絶対に行かないので)

喉でエッジボイスを鳴らすと、声帯に負担がかかる可能性があるので、「声を鍛える＝やみくもにエッジボイス」はちょい危険かも。

 

 

話を戻して。

 

ヘッドボイスを出すには、そもそもファルセットが綺麗に出ないとダメなので、ファルセットが掠れる、あるいは出ない、という方は、まずひたすらファルセットを練習してみましょう。

 

ファルセットの練習方法については、また別の機会に…

 

[ファルセットとヘッドボイスの違いをギリギリchopのサビで]

 

 

 

クリアボイスミュージックスクール

谷本 恒治