2019.10.24ミックスボイストレーニング
【ボイトレ】高音張り上げ・ひっくり返り対策の3要素!
こんにちは。
大阪梅田のボイトレ・ボーカルレッスン、クリアボイスミュージックスクールの谷本恒治ことジウコトモニタです。
今回は「高音で張り上げてしまう」あるいは「ひっくり返ってしまう」という方にいくつかのアプローチをご紹介。
提案が一つだとアレだけど、いくつかあればどれかしらは当てはまるんじゃあなかろうか。
目次
- ○ 原因1:地声側(甲状披裂筋)にテンションがかかりすぎている
- ・解決策
- ・注意点
- ○ 原因2:息の量が多すぎる
- ・解決策
- ・注意点
- ○ 原因3:咽頭腔を使いすぎている
- ・解決策
- ・注意点
- ○ まとめ
原因1:地声側(甲状披裂筋)にテンションがかかりすぎている
低音域では甲状披裂筋が優位になり、高音域では輪状甲状筋が優位になる(厳密にはちょっと違うけど、イメージしやすいのでこれで統一してまふ)。
このパワーバランスを保った状態を「ミックスボイス」というワケだけど、音程を上げようとしてもずっと甲状披裂筋が踏ん張りすぎてしまっている状態。
そうするとどんどん声が大きくなっていく(声が大きいのはいいことだけど、音程を上げるにつれて声が大きくなるのはよくないことでふ)。
音程を上げにくくなる。
最後には力尽きて裏返ってしまう。
といった現象がおきる。
コイツを解決していこうというのがここでのテーマでふ。
解決策
ここでは、声帯の閉鎖を少し緩めるという練習。
甲状披裂筋が頑張りすぎて声帯が分厚く固くなる、そこに強い息を吹きかける、そうすると2枚の声帯が激しくぶつかりすぎて大変ダメージを食らう。
歌うと喉がチリチリしてくる、咳き込む、声が掠れてくる、という人はおそらくコレ。
なので、激しくぶつかりにくい発音をチョイス。
母音…イやウは披裂軟骨が近づきにくい(詳しくは上のリンクを)
※ただし、どのような発音の仕方をしているかは気をつける
子音…s,h,k,f,など比較的息を前に出しやすい無声子音は声帯が激しくぶつかりにくい
※これも言い方を気をつける
ウチでよくやるのは「wee(ウィー)」や「fee(フィー)」という発音。それでも息が止まる(声帯をきつく閉じる)子は「hee(ヒー)」。ヒーだと息を吐かんと絶対に発音できないので。
次にスケールは地声を引っ張りにくいように一気にヘッド(高音域)まで駆け上がるようなスケールを選ぶ。
「1.5 octave scale」とYouTubeで検索するといっぱい出てきまふ。
注意点
声帯を緩める、地声地声しないようにする
イコール、「裏声にする」ではない。
ざっくりと
声には「チェストボイス」「ミドルボイス」「ヘッドボイス」「ファルセット」がある。ざっくりと
で、この「~ボイス」のグループに共通しているのは“声帯が大きく(厚く、この表現ビミョーやねんけど)振動している状態”
一方「ファルセット」は“声帯が小さく(薄く)振動している状態”
手を合わせてみてくださいまし。
人差し指から小指までが振動しているのが「~ボイス」。薬指・小指を離して、人差し指・中指だけを振動させているのが「ファルセット」(幅はもちろんアバウトなイメージ)
「え?じゃあチェストとヘッドは何が違うの?」
チェストは甲状披裂筋が固くなっている状態、ヘッドは声帯靭帯が固くなっている状態。
ざっくりだけど、声帯粘膜と声帯靭帯だけが振動した状態がヘッド(正確には「だけ」ではないが、イメージ)、甲状披裂筋も振動した状態がチェスト。その途中段階みたいなんがミドル。
ようは、上の「wee」は「fee」で“ファルセット”にならないように気をつけること。
もちろん、声帯がどのような状態になっているかは自分では分からんので、音で判断。ファルセットは声帯が小さく振動する(=開いている時間が多くなる)ので、息っぽい裏声になる。
ただし、喉の周りの筋肉が固くなりすぎて声帯の振動を妨げて掠れた音が入ってくる場合もあるので、聞き分けが重要。
どうしても分からん方はレッスン来てくださいまし。一発で解決します。一発です。
練習動画:ファルセットじゃないところに注目(耳)。首フリフリはどっちでも
原因2:息の量が多すぎる
“お腹をへこませて息を吐いて…”
いまだによく見かけるけど、これやっている人は今すぐ止めましょう。
他のメソッドを否定することはないし、色々方法論はあるので、なるほど、とも思うけど、これだけは全否定します。
息をたくさん吐くというのは<空気を体外に出そうとする>ということ。つまり、体外に空気を出そうとするならば声帯は開かないといけない。
声帯が開くとどうなりますか?そう、声は出ないよね?
じゃあ声を出そうと思ったらどうしますか?そう、声帯を頑張って閉じようとするよね?
つまり、息は出よう出ようと頑張る、声帯は出さないでおこう出さないでおこうと頑張る。
これほど非効率なことないよね?
解決策
少し息の量を調節してやる。
ベタにリップロール。
リップロールの原理、練習の意図は散々あちこちに書いているけど(下記リンク参照)、意外とちゃんとできていない人が多いんじゃないかな。
それから「mun(マン)」という発音。「m」と言うと当然息の流れはより制限されるので、声帯を自然にくっつけやすくなる。
スケールは何でも大丈夫かな。甲状披裂筋のテンションも気になる人は1.5octaveとかかな。
注意点
mとか系は逆に息が引っ込んだり、喉で止めてしまったりすることもあるんで要注意。
止まってるかな、と思ったら上のf,s,k,系で一旦息を流してやる練習を挟んでからまた戻ってくる。
あくまでも「自然な閉鎖」を心がける。無理に閉じなくても「m」というと声帯は勝手に合わさる。この「勝手に合わさる」分だけ使ってやる。
もう一個、「マン」で気をつけるのは「m」で鼻から「フンー」と息がダダ漏れにならないこと。
ファルセットっぽい「マン」になったら、「bub(バッ)」という発音を挟んでみよう。bなどの強い破裂音は口蓋垂(のどちんこ)が後ろにあがり、鼻腔に空気が流れるのを止める発音なので、セットでやると効果的。
原因3:咽頭腔を使いすぎている
これもよくあるヤツ。
“喉仏を下げて!”
もちろん上がりすぎは良くないし、ウチでも下げる練習はするけど、やみくもに常に「喉仏を下げながら歌わないと…!」って思ってると一生上手くならない。
なぜなら咽頭腔は低音域の周波数しかブースとされないから。
スピーカーのウーハー(下の丸いのん)だけで音楽聴けないっしょ?それと同じことが起きる。
で、上の周波数が出てこないもんだから力任せになる。一旦“喉下げて”に固執しすぎるのをやめてみようぜ。
解決策
鼻声で歌ってみる。
これをウチでは「お好み焼き」と呼んでいる(俺しか言っていない)。
昔ガキの使いの「笑ってはいけない24時間」で、「古今東西、郷ひろみの物まねで食べ物」みたいなんがあって、月亭方正さんが「お好み焼き」って言った時の声に似てるんで。
誰が分かんねん!
で、さっきの「マン」を「お好み焼き声」で(鼻声で)練習する。
鼻声にしようと思うと無意識に舌を上げて咽頭を狭くしようとするので、声が重たくならない。(この表現もちょいちょい使います。息が重い、声が重い、的な)
これも「フンー」にならないようにしっかりと「ンー」を鼻にかけて言うことがポイント。
あくまでも一時的な練習です。鼻声が正解、咽頭を狭めるのが正解というワケではありません。
注意点
上の「マン」と同じで、特にこれは喉が上がる分、声帯を締め付けやすいので、あくまでも「自然な閉鎖」と「ヘッドボイス」(つまり甲状披裂筋にテンションがかかりすぎていない状態)を意識すること。
どうしても重たくなる人は志村けんさんの「だいじょうぶだぁ~」を物まねしてみよう。
「だいじょうぶだぁ~」を低音~高音と、いろんな高さで言ってみるのも良いかも。
で、上で鳴っている感覚を感じられたらまた普通に戻してみる。重たくなったらまた「だいじょうぶだぁ~」。
この練習をメインにするというよりは、確認作業、という使い方の方がいいかな。
まとめ
だいたいこの3パターンのどれかで当てはまるんじゃないかな?
3のパターンで練習して、喉に力入ったら1の練習を入れて、とか、色々織り交ぜながらやるのも効果絶大。
重要なのは、「その練習をした時にどんな声が出ているか」「その時体はどんな感覚か」に意識を向けることでふ。
しつこく、「どうなってるのか自分では分からん!」という方は、一回こっきりでもいいので気軽にレッスンに来てくださいまし。
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